首位、清水エスパルスとのアウェイ戦は、予想はしていましたが、厳しい結果が待ち受けていました。
大量失点は止まらず、緊張感が欠けたようにも見えた時間帯にゴールを許して4失点。
自分たちの時間帯を築けている点は良かったとは思います。
しかし、その流れにあっても決定機で決められず。
その後、手痛いミスから失点を許すと、守備に緊張感が欠けてしまいました。
積極的な攻撃を見せつけられて、あっという間に連続で失点。
またしても、大量失点での敗戦となり、総失点数は29点まで積み重なってしまっています。
こんな試合ばかりでは、降格圏内に沈むのは当然のこと。
栃木SCは、この第13節において、とうとう18位に転落してしまい、降格圏内に足を踏み入れてしまいました。
5連勝を狙う清水と、3連敗を阻止したい栃木。
そんな構図となった試合でした。
どう見ても、勢いは清水にあって、栃木の勝利は限りなく小さいものであると予想できる試合です。
しかし、キックオフ後の立ち上がりは栃木に分があって、清水の守備を慌てさせることができていました。
ただ、清水の最初の攻撃となる前半5分に失点。そして、その直後の8分にも失点を喫し、また大量失点を演じてしまうのかと、そんなことを思ったのは、栃木サポのほぼ全員だったと思います。
結果は確かに大量失点となっていますが、それでも、1点を返してからの栃木は清水を押し込む攻撃を展開し、同点、そこからの逆転にも期待が膨らむ展開に持ち込めています。
ただ、そこからの決定力がどうしても見劣りしてしまい、清水の守備をこじ開けることができませんでした。
そんな中でのミスからの失点。
同点への期待値が一気に消え去り、そのことからなのか守備の緊張の糸が切れてしまったかのように、立て続けての失点を喫して、試合が決まってしまっています。
攻撃でもそうですが、守備から攻撃に転じたい場面でも、ボール保持者に迷いが見られ、大きく蹴り出すのか、細かく繋いでいくのか、一旦、後方に下げるのかも含めて、その決定にちょっとした間があるのが残念です。
その間からボールロストに繋がる場面も多く、遣りたいことができないもどかしさが選手から見え隠れするのが何とも切なくなります。
何となく、積極的に行けていないプレーばかりで、消極的選択ばかりに写ってしまって、そのことが本当に残念に感じました。
それは、この清水戦に限ったことではなりませんが、それでも、この清水戦では、そう思えるよな場面は多くあったと思っています。
守備のミスは失点に直結するだけに、その判断に迷いがあってはなりません。
ただ、選手が一生懸命に何とかしようと必死にプレーしていることは分かっているつもりです。
それだけに、責めたくても責められない部分と、いや、それでもプロである以上、もっとしっかりとしてくれよという思いが交差して、なかなか気持ちが整理がつきませんでした。
失点が多いということは、守備が機能していないという証拠ですし、既に3分の1が消化されている以上、失点を減らすための思い切った舵切りも必要になっています。
栃木SCはいつその舵切りを行うのか。
まさか、このままの状態でずっと行くとことはないでしょう? それとも、本当にこのまま大きなテコ入れもなしに戦って行くことを選択するのでしょうか。
【結果】
清水エスパルス 4-1 栃木SC
前半 2-1
後半 2-0
【会場】
IAIスタジアム日本平
【得点】
前05 矢島慎也(清水)
前08 ルーカス・ブラガ(清水)
前24 南野遥海(栃木)
後34 山原怜音(清水)
後42 松崎 快(清水)
【栃木SC警告】
前42 ラファエル(累積1枚目)
後11 大森渚生(累積4枚目)※次節出場停止
後44 石田遼太郎(累積4枚目)※次節出場停止
【栃木SCスタメン】
GK 丹野研太
DF 大谷尚輝
DF 藤谷 匠
DF ラファエル
MF 大森渚生 → 森 俊貴(後25)
MF 石田遼太郎
MF 大島康樹 → イスマイラ(後14)
MF 神戸康輔 → 小堀 空(後35)
MF 南野遥海 → 青島太一(後25)
FW 奥田晃也
FW 宮崎 鴻 → 矢野貴章(後14)
【栃木SCリザーブ】
GK 川田修平
DF 平松 航
MF 森 俊貴 ← 大森渚生(後25)
MF 青島太一 ← 南野遥海(後25)
FW イスマイラ ← 大島康樹(後14)
FW 矢野貴章 ← 宮崎 鴻(後14)
FW 小堀 空 ← 神戸康輔(後35)
【審判団】
主審 : 野堀桂祐(栃木戦担当、今季2試合目)
副審 : 竹田明弘
副審 : 田代雄大
【入場者数】
17,400人
【天候/温度/湿度】
晴/21.9℃/46%
【第13節終了時順位】
18位
栃木SCは3連敗で、7試合勝ちなしとなっています。
勝点は伸び悩み、失点だけが積み重なっていて、このままでは残留は難しい現状が見えて来ます。
とうとう18位の降格圏内に入ってしまいました。
このままズルズルと低迷しそうな雰囲気は強く、まだ3分の2近くの試合を残しているとはいえ、浮上する想像ができません。
それでも、次節の藤枝MYFC戦では絶対に勝利を奪い勝点3を積み上げて、この降格圏内から脱出する必要に迫られています。
まだ試合はあるとか悠長なことは言ってられません。
藤枝戦での勝利はチームが残留するためには絶対に必要なものになったと思っていますし、ここで逃すようだと、待っているのは再びのJ3です。
そんな思いを強く持って臨む藤枝MYFC戦になりました。
この試合では、ここまで失点の大きな原因だった1ボランチから2ボランチへとシステムを変えています。
前線で大きな活躍を期待できる奥田選手をそのボランチの左に据えて、神戸選手と組ませるというもの。
攻撃の2トップは変わらずに、トップ下に南野選手が入っていましたが、初めて試した布陣ながらも、そこそこ機能はしていたと感じています。
問題は守備で、開始早々の5分に寄せの甘さから先制点を許し、その3分後にも同じように寄せの甘さから失点をしてしまっています。
清水の選手、確かに上手さがあって、なかなか寄せ切れない場面だったかもしれませんが、選手が連係して守備を敷くことができず、そこに清水の積極的な個人技が重なってしまい、あっさりと連続失点を喫してしまった印象は拭えません。
石田選手が痛んでファウルをアピールしている中での失点でしたが、あそこは確かに痛かったのでしょうが、それでも、プレーは止めてならぬ場所であって、場面だったと思います。
こんなこと、どこも痛くない素人だから言えることです。
相当に痛かったのでしょうし、確実にファウルだと思ったからこそ、立ち上がることもできなかったのでしょうが、他の選手も含めて、ファウルじゃないのかという思いもあったことから、守備がちょっとルーズになったように見えてしまいました。
あくまでも個人的にはですが、DAZNで見た印象としては、ノーファウルであって、野堀主審の判定は正しかったと思います。
前半8分までに2失点を喫したことで、あのフクアリでジェフユナイテッド千葉に喰らった8失点が頭を過ります。
しかし、そこから栃木は何とかチームを立て直しました。
これは監督やコーチからの指示というよりも、選手たちがピッチ上で持ち直したもののはずです。
早い時間に1点でも返して欲しいと願った中、前半24分に南野選手が押し込んでくれました。
この得点は、南野選手にとっての今季4点目。
チームで最多得点を更新してくれていて、同点、そして、逆転のためには彼の活躍は絶対に必要なはずでしたが、後半25分に下がってしまいました。
この交代で流れが変わったとは言いませんが、それでも、清水の攻撃に晒される時間は増えてしまい、そして、最終的には同点に期待できる攻撃の展開が収束してしまい、試合が決まってしまった3点目、4点目を清水に奪われてしまっています。
3失点目は守備のミスから。
4失点目は緊張感が欠けた中での清水に出た勢いから。
良い攻撃が展開できていただけに、本当に残念な守備になってしまっています。
終わってみれば、またしても大量失点。
ここまで大量失点を奪われて敗戦を重ねるシーズンは記憶にありません。
田中監督がこの失点をどう改善させたいのか。
そのためにどんな練習を重ね、選手にどう指示を出し、どんな対策を取っているのかは分かりませんが、今のところ、改善の兆しは見えて来ていません。
そこが残念で仕方がないのです。
前向きに捉えるのであれば、良い攻撃が展開できたこと。
そして、矢野選手、平松選手が怪我から復帰できたこと。
そのうちの攻撃面については、ここまでの今シーズンの中で、一番に良かったと思います。
両サイドの推進力は高くあって、そこにボールが出て収めることができています。
そこからどう崩していくのかは課題かもしれませんが、精度は別にしてクロスが入るようにはなっていましたので、ここに、エリア内に切れ込む積極的攻撃と、ミドルを放つ自信を選手個々で持って貰えれば、もっともっと、得点の期待値は増えるのではないでしょうか。
4失点という残念な試合の中で、この攻撃が清水というチームを相手に、一定の成果が出ていることは良かった点だと思います。
あとは、軽い失点をどう防ぐか。
その改善は急務であって必須です。ですが、今の栃木には、それがとても難しい部分なのかもしれません。
ここまで軽く失点を重ねるようなシーズンになってしまうとは。
得点が奪えているのならまだ希望が持てますが、現状はそうでないことから、まだまだ不安を抱えながらの応援は続きそうです。
3失点してから、応援していても涙が止まらず、試合後もそれは同じでした。
栃木の選手たち、チームってこんなものなんですかね。
いや、違うでしょう。
もっとできるじゃん。
もっとやれるじゃん。
もっと積極的に行けるのに。
そう思うと、もう涙が止まらなかったのです。
涙していたサポさんは少なくありません。
号泣を隠すように、顔をタオマフで隠して泣いているサポさんもいました。
もっとできるのに、それができない。
それが悔しくて、情けなくて、そんな複雑な思いに涙が溢れたはず。
そんな涙を笑顔に変えさせてくださいよ。
下を向かずに、勝利だけを見て、明後日の藤枝MYFC戦は絶対に勝ってください。
カンセキスタジアムとちぎが笑顔溢れる空間になりますように。
そのために、必死に声を張り上げて応援します。
決して多くはないビジターゴール裏でした。
それでも、応援の熱量はとても強く、大きく、とても素晴らしかったと思っています。
応援が止まる時間も少なくて、それは、必死に応援で選手を鼓舞しようとする若手サポたちの想いの表れでした。
試合中も、試合後も、選手に対する後ろ向きな声はなく、誰もが現状を受け入れながらも、それでも、もっとやれるぞという前向きな声が飛んでいます。
この雰囲気をホーム戦でも出して、スタジアムの空気を勝利に向けたものにできれば、きっと選手にも伝わると思います。
まず、甘い考えかもしれません。
それでも、少しでも勝利の雰囲気を作らねばなりません。そんな状況にあるのかなと、そう感じています。
清水まで遠征された皆さま、お疲れ様でした。
皆さんの前向きな姿に励まされました。ありがとうございます。
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