栃木SCの選手も状況を打開しようとピッチ上で戦ってはいましたが、それ以上に、ジュビロ磐田の強さが際立った試合展開になってしまいました。
どうしてそのパスが繋がるのか、足元に収まるのか。
磐田のパス回しは圧巻で、その素早さに栃木の選手は後れを取る場面も多く、決定機を与えてしまいます。
攻撃を阻止しようとするも、その対応が遅れてのファウルになることも見られ、選手は必要以上に苦戦を強いられることになりました。
背後のスペースへボールを出されると、そこからピンチを招くことも多くあって、必然的に攻撃よりも守備に比重が掛かる展開へと陥って行きます。
苦しい時間が続くことになりますが、前線の矢野貴章選手を筆頭に、何とか得点へ繋げようとプレスを仕掛け、ボールを追う姿勢は見せてくれました。
しかし、磐田の選手の落ち着いたプレーは、簡単にボールを失うことはありません。
相手選手のプレスに対する対応も、磐田と栃木では大きな差があったと思います。
パスコースを見出せず、狭いエリアを選択するしかない状況もあって、中盤で相手にパスを奪われる場面も多く出てしまいます。
なかなか厳しい現実を改めて突き付けられたような結果に、正直、ショックが大きかったです。
順位も20位に下げ、ここからどう挽回していくのか。
その道筋が見えないような。そんな状況にあるのではと、また不安が募りました。
前節の大宮アルディージャ戦では感じられなかった自信のない迷うようなプレーも見られたと思います。
ボールを持ってからの推進力がかなり低く見えましたし、まず、パスを出すのか、出すならどこか、誰へ。その選択にいつもより時間を要し、それは僅かなものかもしれませんが、リズムのない攻撃になってしまいます。
一瞬の迷いから攻守が逆転し、カウンターを喰らうこともあって、攻守のバランスはとても悪く感じました。
それだけ、磐田の組織立った守備が素晴らしかったということなのでしょうが、それにしても、もう少し、自信を持ってプレーしても良いような。そう感じたのは事実です。
後半の立ち上がりは、修正できた部分もありましたが、磐田が選手を入れ替えて来ると、栃木の時間はあっという間に消えてしまい、試合をどう締め括るのかを上手く見せつけられる展開でした。
受け取り方はそれぞれだと思いますが、このような試合展開が今後も続きそうで、それを修正して行く力がチームに備わっているのかと考えたとき、なかなか厳しい状況にあるのではと思えてなりません。
選手個々の一生懸命なプレーには胸を打たれるのですが、それだけではどうすることもできない組織としての弱さが目立つ試合だったのではないでしょうか。
平日のナイターです。
ビジターゴール裏は少ない人数だろうと思っていましたが、思っていた以上に多くのサポーターが応援に駆け付けていました。
必死に声を出し、何とか1点でも返して欲しいとチャントを響かせていましたが、無情にも無得点。
複数失点も相まって、順位を落としてしまいした。
しかし、サポーターから野次もブーイングもありません。
この敗戦から直ぐに立ち直らなければ。
中3日でやって来るザスパクサツ群馬との北関東ダービーに自信を持って臨んでもらわなければ。
その想いも強くあったのだと思います。
ゴール裏にあいさつへ来た選手たちに、群馬戦の限定チャントを歌い、この敗戦を引きずるな。次は絶対に勝つぞ。そんな意思を伝えていたのです。
コールリーダーの熱い思いが伝わって来ました。
これ、素敵な光景でした。
【結果】
ジュビロ磐田 2-0 栃木SC
前半 1-0
後半 1-0
【会場】ヤマハスタジアム
【得点】
前16 松本昌也(磐田)
後20 松原 后(磐田)
【栃木SC警告】
前45 福森健太(累積1枚目)
【栃木SCスタメン】
GK 藤田和輝
DF 大谷尚輝
DF 大森渚生
DF 岡﨑亮平
MF 黒﨑隼人 → 五十嵐理人(後36)
MF 西谷優希 → 植田啓太(後27)
MF 神戸康輔 → 佐藤 祥(後16)
MF 福森健太
FW 森 俊貴 → 髙萩洋次郎(後27)
FW 大島康樹 → 根本 凌(後16)
FW 矢野貴章
【栃木SCリザーブ】
GK 川田修平
DF 平松 航
MF 佐藤 祥 ← 神戸康輔(後16)
MF 髙萩洋次郎 ← 森 俊貴(後16)
MF 植田啓太 ← 西谷優希(後27)
FW 五十嵐理人 ← 黒﨑隼人(後36)
FW 根本 凌 ← 大島康樹(後16)
【審判団】
主審 : 吉田哲朗
副審 : 川崎秋仁
副審 : 大矢 充
【入場者数】5,868人
【ピッチ状態】全面良芝
【天候/気温/湿度】晴/16℃/20%
【風】無風
【第6節終了時点順位】20位
前節、勝利を収めた大宮戦から、3選手を入れ替えて来た時崎監督。
福島選手は怪我が心配されていました。その福島選手に代わって、最終ラインに大谷選手が入ります。
左に福森選手が。そして、右のシャドーに大島選手が入ることに。
宮崎選手の不在は予想外で、これは中3日で戦う群馬戦を見据えた温存なのかと、そんな憶測も飛び交いましたが、そんな余裕はないと思っています。
出られない何かしらの事情が生じたのではと考えてしまいますが、どうかそんなことありませんように。
中9日で戦う強みを活かしたいところでしたが、その片鱗はありませんでした。
今シーズン初スタメンとなった大島選手と福森選手。
この抜擢に応えたいところでしたが、磐田の上手さに翻弄され、特に大島選手はなかなか攻撃の機会を得られませんでした。
福森選手を起点とするクロスもなかなか生まれず、互いに低い位置でのプレーが多くなり、守備を頑張る時間が非常に多くなります。
この2選手だけではなく、多くの選手が想定していた以上に磐田に抑え込まれ、やりたいサッカーをさせて貰えない状況にありました。
黒﨑選手を軸に右サイドから攻撃を仕掛け、それが栃木としては得点の契機になるようにも感じましたが、正直なところ、そこ以外の攻撃では、セットプレー以外での得点には期待が小さい状況にあったと思います。
それに反し、2失点の守備は、更に多くの失点を喫してもおかしくない内容でしたが、必死に磐田の攻撃を防ぎ続け、何とかその2失点で防いでくれた。そんな印象です。
1失点目は守備のバランスを崩された中にあって磐田の上手さが際立ったものに感じます。
元栃木の金子選手の巧みなボール保持からクロスが入れられましたが、守備の人数は足りていたのでクリアできると安易に思ってしまいました。
しかし、走り込んだ松本選手が一早く押し込んで先制点を許すのですが、この一連の得点までの流れが素晴らしく、磐田としてのチーム力を見せつけられたような得点です。
栃木としては防げたはずの失点でしたが、それにしても、隙を突いて決めて来る力は、流石だと思わずにはいられません。
後半の立ち上がりは磐田を押し込み、厚い攻撃が見られるようになりますが、ここで同点にしておけなかったことが悔やまれます。
自力の差から、試合中に修正をして栃木の攻撃を鎮静化させる磐田は、後半20分に決定的な2点目を決めて来ますが、この辺の決めきる力は本当に素晴らしいチームです。
2点差を追う中、選手交代で打開を図った時崎監督でしたが、磐田の勢いを削ぐことはできず、五十嵐選手の投入も遅めだったこともあり、正直、打つ手なしだったのかなと感じてしまいました。
多くの選手が残った中で、上積みでの勝点奪取を目論んだ訳ですが、この磐田戦も含め、ここまでの多くの試合で、その上積みは期待値を大きく下回ります。
それは、選手個々の力不足とか戦えていないという訳ではなく、組織としての弱さが出ているのだと思っています。
選手個々は本当に頑張ってくれています。
このままで良い訳はありませんが、しかし、出場できない選手も多くいる中で、監督としても現有戦力でどう戦っていくのかに苦慮しているのではと危惧してしまいます。
それは素人考えであって、きっちりとチームとしての現状把握から状況を見極めてくれてるとは思うのですが、やっぱり結果が出ていないと、不安は肥大して行くだけです。
たった7試合ですが、それでも、栃木の立ち位置が予想以上に厳しいものであることが分かりました。
それは、想定内だったのかもしれませんが、悪い方に偏っている想定内ですので、厳しさだけが際立っています。
試合には負けてしまいましたし、内容も決して良くなかったことから、当然に不満は大きいものがあります。
それでも、年間42試合というリーグ戦にあって、順位を争う勝負なのですから、そんな試合があるのは当然で、それがこの磐田戦だったということです。
ただ、そんな試合が多くなりそうなのは誰もが思うところですので、そうならぬよう、ここから立て直しを図っていただきたいと切に願っています。
順位的にも次節は勝たねばならぬ試合になりました。
清水エスパルスを打ち破ったザスパクサツ群馬を相手にどう戦うのか。
絶対に負けたくない相手なだけに、ここは勝利以外の結果は受け入れられぬほどに大事な一戦になります。
勢いは完全に群馬にありますので、磐田戦のように勢いに飲まれることのないよう、自信を持って勝点3を奪い獲るために戦ってください。
この試合、スタジアムDJのTETSUさんがゴール裏で観戦されていました。
試合前、コールリーダーに招かれて、選手個々の紹介をスタジアム同様にアナウンスしていただき、応援に熱が入ったのです。栃木自慢のスタジアムDJの選手紹介をするこの光景は、正に胸熱でした。
これをアウェイの地で体験できただけでも、無理を押して磐田まで遠征して良かったと思わずにはいられません。
試合後には、そのTETSUさんに呼び止められると、矢野貴章選手のお母さまを紹介していただけることに。
「ブログいつも読んでいます」
「磐田に来られると書かれていたので、ごあいさつできればと思っていました」
私を探して、TETSUさんに「すーさんというサポさんを知りませんか?」と声を掛けられたそうです。
お話しできて、とても嬉しく思いました。
本当にありがとうございます。そして、これからもブログをご覧いただければ大変ありがたく思います。
帰りは足柄SAで休憩。
すると、多くの群馬サポさんがいましたが、当然に笑顔満開でしたし、「日曜日にはカンセキにお邪魔します」「良いダービーにしましょう」と声を掛けていただけました。
今の栃木が清水に勝利すること、複数得点を奪うことはなかなか想像できませんし、それを成し遂げた群馬が実力的に上にいるのも事実です。
それでも、簡単に負けることはありません。
それどころか、群馬には絶対に勝たねばなりませんし、勝たせていただきます。
清水遠征の笑顔を、栃木遠征で苦汁の顔に曇らせないと。
それが栃木SCとしての復活の第一歩になるはずです。
北関東ダービーを浮上の切っ掛けにしましょう。
磐田から自宅にたどり着いたのが、日付が変わった午前2時35分。
予定よりかなり早く戻って来れました。
3時間ほど寝ることができましたし、意外と疲労は小さく出勤できたのは、道中、楽しく車内を盛り上げてくれたサポ友さんのお陰です。
次に一緒に遠征するアウェイはちょっと先になりそうですが、少なくとも、清水遠征、秋田遠征、金沢遠征は同行できそうですので、今からそれを楽しみにしています。
一緒にいて本当に楽しいサポ友さんで、遠征には欠かせない方です。
これからも、ぞうぞよろしくお願いします。
磐田まで遠征されたサポの皆さま、本当にお疲れさまでした。
また、どこぞの遠征先でお会いした際は、よろしくお願いします。
そして、その遠征は、笑顔満開になっていますように。
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