古来、人類は直接的にエネルギーを手にしていた。水の力だったり火山からの熱であったりである。このエネルギーは自分たちが生き延びる手段として自分たちのためだけに使われていた。
やがて文明が進み水車や風車を造り、動力を手にすることが出来た。これにより人類は生活圏を移動することなく定住し農業生産が出来る様になる。又家内工業的ではあるが工業生産も可能となり経済活動も活発化してきた。これを契機に文化発展のスピードは上がった。しかしまだ自然そのものに依存するエネルギーであり、エネルギーの密度が小さく大きなエネルギーとして得ることが出来なく、恩恵の範囲は狭く、まだまだ身近な暮らしの助けとなる程度であった。
18世紀後半から始まる産業革命において、大量生産大量消費の時代が幕を開ける。そのためには膨大なエネルギーが必要となる。それまで流れにまかせていた水のエネルギーはダムを造る事によりエネルギーを集め、石炭や石油と行った化石燃料の使用により電力という大きなエネルギーであり移動可能なエネルギーを得ることが出来たことで経済活動は大きく変わっていった。当時は経済発展が国力の増大と一体化していたために負の部分、経済格差や燃焼ガスの発生については問題とされなかった。そして化石燃料を確保するための植民地確保が紛争の元とになり、エネルギーが国策の道具となったのである。国内格差が国家間格差となり、国同士の軋轢が高じ二度の大戦を始め、その後の中東アフリカ問題等など現在に通じる対立の構造を生み出してしまったのである。
長くなるので、その後の環境問題や原子力発電については次回とします。お楽しみに。