溶連菌性毒素性ショック症候群(TSS)は、ほとんどが50~69歳の高齢患者、および合併症(糖尿病、悪性腫瘍、肝疾患、慢性腎障害、心疾患)を有する患者で発症する 。

アルコール依存症および非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用も、溶連菌性TSSの危険因子であると考えられている 。

非ステロイド性抗炎症薬の使用と壊死性軟部組織感染の発生との間に強い関連があることが報告されており、溶連菌性TSSのリスクは3倍に上昇する。

しかし、溶連菌性TSSにおけるNSAIDsの役割については、議論が続いている。

マウスモデルを用いた実験的研究では、NSAIDsの投与により、傷害を受けた筋肉中のA群溶連菌(GAS)の数が22倍に増加することが示された。

非ステロイド性抗炎症薬の投与は、炎症徴候を減弱させることで感染の重症度の徴候を覆い隠し、診断を遅らせ予後に悪影響を及ぼす可能性もある。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10812596/

Atchade, Antibiotics (Basel)  13: 96, 2024