著者らは、シンバイオティクス(=プレバイオティクス+プロバイオティクス)製剤SIM01を用いた成人回復期患者のPACS(=Long Covid)緩和効果に関する無作為化比較試験(RECOVERY試験)を行った。

シンバイオティクス製剤(SIM01)は、Bifidobacterium adolescentisBifidobacterium bifidumBifidobacterium longumの3菌株のコロニー形成単位200億個と、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、難消化性トデキストリンの3種類のプレバイオティクス化合物を含むマイクロカプセル化凍結乾燥粉末である。

これらの菌株だけでなく他のプロバイオティクス菌株の増殖も促進することが示されている。

著者らは以前、COVID-19患者の腸内では、B. adolescentisB. longumを含むいくつかの菌種の相対存在量と短鎖脂肪酸産生経路がすべて、健常人と比べて有意に低いことを明らかにした。

COVID-19患者の腸内における短鎖脂肪酸産生菌の減少が、COVID-19における腸と肺の相互作用、ひいては疾患の重症化に寄与する重要なメカニズムのひとつである可能性がある。

Lau, Lancet Infect Dis 24: 256, 2024
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38071990