α-リポ酸は、エネルギー消費と満腹シグナルの増強を通じて体重減少を促進することにより、肝臓や骨格筋などの非脂肪組織における異所性脂質の蓄積を防ぎ、インスリン抵抗性を促進する脂質毒性を予防する可能性がある。

Cianciらは、ランダム化前向き研究デザインを用いて、46人の多嚢胞性卵巣症候群女性の短期管理におけるα-リポ酸とDカイロイノシトールの役割を検討した。

ここでは、26人の女性が1000mg/dのDカイロイノシトール+600mg/dのα-リポ酸を180日間投与される群に振り分けられ、20人は未治療の対照群であった。

月経周期、卵巣嚢胞数の減少、プロゲステロン濃度の上昇など、いくつかの生殖特性が改善され、BMIやインスリンの減少、HDLコレステロールの増加など代謝特性も改善されたが、他の脂質指標には変化はみられなかった。

利用可能な研究の数が限られていることから、この分野の研究は、多嚢胞性卵巣症候群におけるα-リポ酸の影響を明らかにするための更なる研究が待たれる

Alesi, Adv Nutr 13 1243, 2022
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9340985/