COVID-19に対するいくつかの直接作用型抗ウイルス薬が承認されているか、臨床開発中であり、ウイルス複製機構を阻害する低分子化合物とスパイクタンパク質に対するモノクローナル抗体の2つのカテゴリーに分けられる。

オミクロンや将来の亜種に対するワクチン接種を改善する以外に、新たな抗ウイルス薬を開発する必要がある。

レムデシビル、モルヌピラビル、ニルマトルビルなどの抗ウイルス薬は、SARS-CoV-2オミクロン変異株の感染を阻害した 。

天然アミノ酸である5-アミノレブリン酸(5 ALA)は、ほとんどの動植物から生成され、食品中に存在する。

著者らの以前の研究では、SARS-CoV-2武漢株およびその亜種であるアルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株に対する5-ALAの抗ウイルス活性をクエン酸第一鉄ナトリウム(SFC)と併用または非併用で報告した。

著者らの研究では、SFCを併用した場合と併用しない場合のSARS-CoV-2オミクロン株に対するALAの抗ウイルス効果をin vitroで評価した。

Vero E6細胞をレムデシビルまたは5-ALAで72時間(h)処理した後、SARS-CoV-2オミクロン変異株(TY38-873、BA.1、国立感染症研究所提供)を感染多重度0.02で感染させた。

感染後48時間後に感染細胞上清を採取し、ウイルスRNA抽出を行った。

SARS-CoV-2抗ウイルスアッセイは、細胞上清RNAを用いた以前に確立された特異的定量リアルタイムPCR(qRT-PCR)に基づいている。

オミクロン変異体に対するレムデシビルの抗ウイルス薬効果は、0.3μMのIC50(ウイルス50%阻害)を示した。

5-ALA、5-ALA+クエン酸第一鉄ナトリウムは、in vitroでそれぞれ329および765/191のIC50を示し、用量依存的にSARS-CoV-2オミクロン変種の感染を阻害した

Tun, Trop Med Health 50: 30, 2022

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9043503/