商業出版が決まってからは、
通常、原稿も絵も、
持ち込んだままということは
あまりないらしく、
企画・構成の再検討
リライト
絵の描き直し
出版社の校閲・校正
監修(必要に応じて)
リライト
文字校了
レイアウト
校正
色校正
刷
製本
となるのですが、
自費出版の紙芝居『すずちゃんののうみそ』
は、ありがたいことに、
「直すところはありません。
竹山さんが直したいところがあったら
お知らせください。
商業出版なので、
医学的に間違いのないよう監修者
に確認をお願いしますので、
その後のリライト(書き直し)は
あると思います」
と言っていただいたのです❣️
「竹山さんがご存じの、
監修をお願いしたい医師は
いらっしゃいますか❓」
と聞かれ、
1度、講演を聞かせていただいただけ
で面識はないのですが、
児童精神科医の宇野洋太先生
にお願いしたいです、
と編集さんに伝えました。
先生は、現在、
よこはま発達クリニックの副院長で
いらっしゃいます。
専門知識・臨床経験が豊富なだけでなく、
先生の、ASD(自閉症スペクトラム)
の人に対するあたたかさに、
1度の講演で感動したのです✨
ASDの人たちを
「尊重する」という感じではなく、
「とてもユニークな人たち」として
心底惹かれている、
という感じなのです。
絵本のあとがきの文章に、
その宇野先生のあたたかさが
表れていますので必読です❣️
読者の方からは、
絵を描いたくださった
三木葉苗さんのあとがきとともに、
「あとがきだけで泣ける」という感想も
よくいただきます😊🙏
ただ、宇野先生はこのとき、
アメリカ🇺🇸のハーバード大学
医学部精神科・マクリーン病院に
勤務されていて、
面識がない上、
メールだけのやり取りで
監修をお引き受けいただけるか、
とても気がかりでした。
編集さんから、
監修をお引き受けいただけたと聞いたとき、
とてもうれしかったのと同時に、
医療の専門家に、
私が親として感じたり学んだりしたこと
だけで書いた自閉症の特徴
(本文だけでなく、絵本の巻末部分)
を読んでいただくのは、緊張しました😅
でも、すぐにお願いしてよかった❣️
と思いました。
その理由は、
「ただ赤字を入れるのではなく、
すずちゃんやおかあさんのことを
できる限り理解して
監修させてもらいたいので、
著者の竹山さんと直接
メールでやり取りしたい」
とおっしゃってくださったこと。
もう一つは、
「障害」ということばを使うか
「特性」とするか、
という点をいろいろな面から話し合ったり、
(障害ということばでASDの特性をくくりたくない
という思いは同じなのですが、
障害者雇用、障害者手帳などの福祉用語ほか、
一般的に使われているので、
子どもたちが「障害」ということばを
「ガイシャ」などと言ってバカにするようなもの
ととらえてしまわないように、
あえて使って、正しく理解してほしいという
私の気持ちを理解してくださいました)
ASDである文字の読めるタイプの当事者
の方も読んでくれることを想定した表現
にしようと言ってくださって、
そういう視点であらためて自分の文章を
見直せたこと。
(どんな表現になっているかは、
絵本の本文とあとがきをご覧ください❣️)
このやり取りが、
すずと向き合う上でも、
ASDをどのように周りの方に伝えたらいいか
ということを整理する上でも、
とても貴重な経験になりました。
こうして、メールで
文章やすずの写真を見ていただいて、
直接お会いすることは1度もないまま、
絵本が発刊されました。
宇野先生が一時帰国されて、
「近くに来たので」と声をかけてくださって
実際にお会いできたのは、
絵本発刊から1年半後の
2019年の夏でした。
↓
すず、初対面で目を合わさないけど
気になっている様子😆
え❓おかし❓私に❓
少しすると慣れました😄
次は、
医学監修によって
1箇所だけ直しが入った絵のこと、
私や葉苗さんの思いを
これ以上ないくらいすてきな
絵本に仕立ててくれた
ブックデザインのことを書きたいと思います。
つづく
↓