靖国神社にて奉納コンサート | 涼恵のアニミズム日記

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涼恵はブラジル生まれの女子神職。八百万の神々や目に見えない気配を身近に感じられる風景を、女性神主であり歌手の涼恵がその活動を通じてblogに綴ります。
#女子神職 #言霊の唄い手 #神職の歌姫 #東洋のエンヤ #リアルナウシカ

靖国神社での奉納コンサート、無事にお納めすることが出来ました。

本当にありがとうございました。


ある意味、自分の集大成となる公演となったと思います。

当日の天気はなんと、、、雪!

朝起きて空を見上げた時のあの驚きは、きっと一生忘れないと思います…笑

でも次の瞬間、ハッとしました。

「あ、春の雪だ…。」

そう、三島由紀夫さんの遺作、「豊穣の海」の最初の巻です。

10年前に靖国神社でお芝居を奉納させていただいた日が奇しくも、三島由紀夫さんの命日。また演出を担当して下さった文学座の演出家Y氏は三島さんとかなり深い親交のあった方で、、、
雪を仰ぐまでは気が付きませんでしたが、 目に見えないメッセージを再びいただいた気がしました。



そんな悪天候にもかかわらず、深いご縁で繋がれた心強い同胞が集まってくれました!
貴重なお時間の中、調整してきて下さいましたことに、ただただ感謝しております。


約20名ほどで、昇殿参拝。

初めて昇殿された方は口々に、

「あんなに静かで、温もりを感じる場所だなんて知らなかった…」

と仰いました。

そうなんです。

外苑の大鳥居や、拝殿、とは全く違う
潔く静かな空気が御本殿には流れていることを私も感じています。

昇殿しなければわからない靖国の真の姿…とも言えるかもしれません。

外野はうるさくても、核はどうなのか?

そこまで自分の目と足で辿り着き、見据えないと伝わってこないこと。

靖国はそんな理の一つだと思います。

圧倒的な静けさと深い熱。

皆で心を一つに参拝しました。

ピタッと揃った柏手の音が本当に有難くて…。
今でも耳に残っています。

”一人じゃない”

理屈じゃなく、背中に揃った響きの余韻から教わります。

”これから、今自分に出来る全てを懸けて歌わせていただきます。”

そうして迎えた本番。

鳥が何度も歌に呼応するように囀ってくれたこと、
寒いはずなのに、風が吹くと暖かかったこと、
白鳩が飛んで来てくれたこと、
異国の丘の風景…
光の筋…
天と地を繋ぐ雨、、、

私には、彩られる現象すべてが
何かの暗示であり、指針のように感じられました。

終演後、

舞台袖には、

桶に溜められたお湯が用意されていました。

衣装がお着物だったから、

身体を温めるに、一番適した気遣いに感激でした。

手と手首を通して、その温もりが身体中にストーブよりコートより、瞬時に伝わりました。

ある意味、不思議だけれど
その時に初めて
身体が冷えていたことに気付きました。

それまでは一度も一時も”寒い”と感じたことは無かったのです。

だから、色んな意味で新境地でもあったかもしれません。

靖国さんが教えて下さった
”現実の厳しさ”

私には陽だまりの中で歌うよりも、この雨と寒さの中に、これから迎える現実の厳しさと辛辣の中でどう立ち続けるのか…その必要性を問われたように感じました。

”甘くない”

今の日本が抱えている問題。

我々が本当に成すべきこと。

どーんとお腹に熱いものが宿りました。

そうして、終演後に靖国さんからいただいたまさかのお役目…。

7月のみたままつりで、揮毫を掲げさせていただくことになりました。

毎年、伊東四朗さんや小林よしのりさん、松本零士さん、他、文化人の方々が描いた揮毫を見ては、自問自答し、影響を受け、日常に反映させてきたつもりですが、

まさかまさか自分が描かせていただく立場になるだなんて…身に余る光栄です。

自然と涙が零れてしまいましたが、しかと受け取りました!

描きたいことはスーッと浮かび上がっているのですが…6月までにこの想いを発酵させてカタチにして、提出させていただこうと思います。

毎回、歌を歌わせていただく程に、自分の至らなさや無力さを実感するのですが、周りの方々に恵まれ、支えられて、この道を歩ませていただいております。
本当にただただ感謝しかありません。


この度も大変お世話になりました!

浄明正直に。

このいただいた命、守られた命に
心からの感謝を込めて。