昨日は、国立能楽堂へ狂言「佐渡狐」と能「葵上」を見に行きました。
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去年のちょうど今頃、ロシア/ウラジオストクで開催されましたビエンナーレ(芸術祭典)に参加し、コンサートやお芝居の公演をさせていただきました。
その日本からの一団の中に、今回「佐渡狐」にシテとして出演されております大蔵千太郎さんがいらっしゃいました。
旅の間にすっかり気が合い打ち解けてしまい、帰国してからも親しくお付き合いさせていただいております☆
何度か、稽古場にもお邪魔させていただいたりしましたが、やはり本番の空気は格別ですね。
この上ない間と呼吸で、気がつけば大笑い!していました。
演目も本当に面白くって!
狂言って、本当に時代を超えて人を楽しませ、また教訓を残す。素晴らしい伝統芸能だと感じました。
「佐渡狐」は30分ほどで終え、
「葵上」が上演されます。
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今回、私は初めてこの演目を拝見させていただいたのですが、
まずはその高い演出に圧倒されました。
葵上、主役となるその人は”人間の体”としては登場せずに、舞台中央にお着物だけ横たえて表現しています。
それが、見る者の想像力を掻き立てるから余計に真に迫ってくるのです。
(チラシでその様が少しわかるでしょうか?)
また六条御息所の動きが、彼女の悲しみ、恨み、愛おしさ、無念さ、全て繊細に表現されており、こんなに感情を声を発せずに表現できる現実を、目の当たりにして、心の奥が震えました。
そして、最後の最後、
あれだけ気忙しく鳴っていた音楽がハタと鳴り止み。
六条御息所は捕り物をポトリと落として、ゆっくり一度手を合わせ、
無音の中、先ほど戦っていた様とは別人の如く、立ち去ります。
その歩き方かた、首の下がり方、速度、圧倒的な無音。
気がつけば、涙を落としていました。
この深い世界観を、こうして今でも語り継ぎ、芸術として遺してきた日本の芸能は尊く素晴らしいものです。
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涼恵オフィシャルウェブサイト『花の祈り』