大学の「情報系学部」に入ると、多くの場合、最初に学ぶプログラミング言語は C言語 です。
しかし最近、こんな質問をよく聞きます。
「もうAIの時代なのに、わざわざC言語なんて勉強する必要あるんですか?
それよりAIでコードを書く方法を学んだほうがいいのでは?」
この質問、実は何度も聞いてきました。
そしてそのたびに思うのは、多くの人が プログラミングやAIの本質を少し誤解している ということです。
C言語を学ばないと「コンピュータの仕組み」は理解できない
C言語は難しい、とよく言われます。
ポインタ、メモリ管理、セグメンテーションフォルト……
ちょっとしたミスでプログラムが簡単に落ちてしまいます。
ですが、まさにこの「面倒さ」こそが、コンピュータの仕組みを理解する鍵になります。
たとえば、なぜ Pythonは開発が楽なのに処理が遅い場合があるのか。
それはPythonが多くの処理を自動で行ってくれるからです。
-
自動メモリ管理(Garbage Collection)
-
動的型付け
-
インタプリタ実行
これらの便利さの裏には、必ずパフォーマンスコストが存在します。
一方で C言語はそれらをすべて開発者に任せます。
そのため、メモリの扱い方やCPUの動き方を意識しながらプログラムを書く必要があります。
最初は難しく感じますが、この経験によって
「コンピュータがどのように動いているのか」を深く理解できるようになります。
AI時代ほど「基礎力」が価値を持つ
少し逆説的ですが、AIが発達するほど基礎技術の価値は高くなります。
AIを使えば、簡単なアプリケーションのプロトタイプは比較的簡単に作れるようになりました。
企画担当者がAIを使って、ある程度の動くシステムを作ることも可能です。
しかしその一方で、アプリケーション開発の参入障壁は下がり、
競争はますます激しくなります。
その中で本当に価値が高いのは、
-
パフォーマンスを最適化できるエンジニア
-
高負荷に耐えるシステム設計ができる人
-
複雑な不具合を根本から解決できる人
こうした 基盤技術を理解しているエンジニア です。
実際、日本のIT業界でも高い専門性が求められる分野では
-
データベースエンジン開発
-
分散ストレージ
-
OS・ミドルウェア開発
など、C/C++の知識を求める求人が今でも多く存在します。
C言語を学ぶ目的は「C言語を書くこと」ではない
ここもよくある誤解です。
C言語を学ぶ目的は、必ずしも 将来C言語で開発すること ではありません。
C言語を学ぶことで身につくのは、
コンピュータを理解するための思考方法 です。
例えば:
-
ポインタを理解すれば、他の言語の参照の仕組みが分かる
-
メモリ管理を理解すれば、GC(ガベージコレクション)の原理が分かる
-
関数呼び出しスタックを理解すれば、再帰やクロージャの理解が深まる
-
ビット演算を理解すれば、ネットワークや暗号の仕組みが見えてくる
つまり、これらは どの言語にも共通する基礎知識 なのです。
一度C言語で基礎を身につけると、
Java、Go、Rustなどを学ぶときにも多くの概念が自然に理解できます。
逆に、最初から高級言語だけで開発していると、
「動くコードは書けるが、仕組みはよく分からない」
という状態になりがちです。
AIは「代替」ではなく「増幅装置」
最後にもう一つ大切なことを。
AIはプログラマーを完全に置き換える存在ではありません。
むしろ 能力を拡張するツール です。
基礎知識がない状態でAIを使えば、
ただコードを生成するだけの「操作役」になってしまいます。
しかし、コンピュータの仕組みを理解しているエンジニアがAIを使えば、
AIは強力なパートナーになります。
AIはあなたの能力を何倍にもしてくれます。
ただし、その前提は あなた自身の基礎力 です。
だからこそ、AI時代であっても
C言語を学ぶ価値は決して失われていない のです。
参照リンク:https://mp.weixin.qq.com/s/uFsxuHELFfW3Xd9r4pblTA
