自助会での困りごと定番の一つが感情のコントロールができないこと。これで何度も人間関係を破綻 させている人が多くいる。


思い返せば私も感情のコントロールが極端に下手な人間だった。現在も決してコントロールできている訳でないが、過去と比較すると自身でも驚くほど変わったと言えるはず。


そして、現在は様々なアドバイスを送ることが多いが、それが奏功することは本当に稀なように思える。そこで、自身の変化がどういうメカニズムで起きたのかを考えてみると、私なりの答えが簡単に得られた。


その答えは挫折の量。私自身も幼少からこれでもかよいうほど挫折を経験してきた。しかし、あるときの挫折はそんな半端なものでなかった。自ら命を絶とうと思った。もうどうでも良くなった。何もかも諦めがついた。


そして、どうせ死ぬならいつでも死ねるので、日本中を歩いて見て回って、どこかで野垂れ死のうとリュックに最低限の荷物を持って歩き出した。昔の言葉で言う世捨て人。人が私を見てどう思われようが関係ない。どうせ死んだも同然なんだし。


全てに諦めがついてせいせいした気分だった。そして2週間歩いた頃には世の中が真逆なほど違って見えた。その当時に自覚はなかったが、その後10年ほどで心が荒れたことなんてほんの数回だった。それまでは日に複数回あることもよくあったのに。


全てを捨てられるほどの挫折が私の 心を穏やかにさせたのは間違いない。


ただし、これを経験しろなんて他人に言える訳がない。ただただ悲しむしかないのかもしれない。


感情のコントロールなんてそれほど難しいものだと私は感じる。資格試験みたいな物じゃないと思うよ。