先日、児童デイの職員や発達障害児の学習指導者と話す機会があり、算数、とりわけ掛け算の九九や足し算の繰り上がり、引き算の繰り下がりをどうやって子供たちに落とし込むかを話し合いました。

 

掛け算の九九、これで困っている子供への対処法として繰り返し暗証させたりゴロ合わせで覚えさせる方法が一般的だと思います。その場でもそうでした。ただ、私は全く違う方法を行っています。私は丸暗記を徹底的に排除して、解る教育を指導しています。

 

例えば、6×3=18

これは6を3回足す足し算です、と説明する。

そして

6×3=6+6+6=

として計算してもらう、すると答えが18だと出てくる。

 

もちろん掛け算の九九を丸暗記を覚えた方が速いし、もっと難しい計算のときに毎回足していると時間がかかりすぎてしまう。

 

しかし、ここがスモールステップ。基礎ができないのに応用のことなんて考えたって何も前進しない。基礎がある程度できるようになると、自然に応用に目が向くようになる。そうなれば自分から学ぶようになる。

 

そして、それ以前に覚えなくても良い、忘れてしまっても良い、という安心感が逆転的に暗記を強くする。失敗してはいけない緊張感がミスを招くもの。過度の緊張を解いてしまえば、ミスしても良いと思う方が、物事はうまくいくもの。

 

こんなやり方で、私は小学校4年生に方程式を教えます。もちろん中学数学のように丸暗記式な方程式の教え方ではなく、方程式と言うものが何なのか、理屈や成り立ちからしっかり理解し合えるように話します。

 

なので、子供でもどんどん学力も上がるし、方程式や数学自体が苦手な大人たちもどんどん苦手意識を解けていっています。

 

この考え方は算数や数学に留まりません。暗記事項が多いとされる社会科、歴史も地理もできるだけその物事の成り立ちを考えていきます。私自身が知らないことは一緒に学んでいきます。

 

少し前には読書感想文に書き方についても触れましたが、物事の成り立ちをしっかり踏んでいくと途端にできることが増える、これがスモールステップの面白さ。

 

もう一つ事例を紹介します。

 

私は過去は全く泳げなく、30歳を越えて一念発起したが、当初はやはりプールに行くのが億劫になったりもしました。そんな時は泳がなくてよいからプールに行く。もう一段階手前で、プールに入らなくても良いから泳いでいる人を見学に行く、そんなつもりでプールに通うように心がけた。実際にプールに行ってみるとそのまま帰るのが勿体無くてプールに入れたりする。自分へのプレッシャーを軽くするためにわざと泳ぐ距離を少なく設定したりすると気持ちよく泳げたりする。たくさん泳がないといけないと思い出すととたんにプールから足が遠のいたりしたところから考え出したもの。

 

こんな風に、苦手なことはスモールステップによって克服できるものが多くあるはず。現在の私も苦手なことと向き合いながらスモールステップを毎日考えている。苦手で構わないから、苦手なことから目を背けない、これこそが常に問われるファーストスモールステップのようにも思える。

 

今日は実例的に紹介してみたがいかがでしょう?皆さんの役に立てば嬉しいです。(昨日は全く自身に向けたものだったので少し反省)

 

皆さんの意見などあればお聞かせください。