この前は、積極的に仕事を手伝わせて貰って仕事を奪っていこう、って感じで話しました。当然、それ以前に猛読書があって、ある程度その効果が現れてきてからの話しですが。

 
しかし、そう簡単に奪えない職場もあるかもしれませんそんな場合でも大丈夫。猛読書中にもできること。それが以下です。
 
それは周りの仕事を徹底的に理解すること。
 
会社の中には様々な部署があります。一見自分とは関係ないと思われる部署もあるかもしれませんが、全く無関係なものはないはずです。同じ部署の中でも役割やラインや、様々な人たちの行程が重なって会社は売り上げを得ます。
 
だいたい、上司や同僚の悪口ばかり言っている人のほとんどは自分の仕事しか理解していません。いや、自分の仕事も手順が分かっているだけで理解できていないから周りの文句ばかり言っているのでしょうね。
 
私は映像編集の仕事を始めた頃に、編集のうまい人とそうでない人の違いを徹底的に調べました。うまい人はうまいだけでなく速い。そうして、学べるところを一つ一つ吸収するように心がけました。
 
それだけでなく、カメラマンによって映像素材の質が全く違うことから、腕の良いカメラマンの何が違うのかを調べました。自分で撮ってみないと解らない娘とばかりなので、自分でカメラを買って色々撮影するうちに、それまでは腕が良くないと思っていたカメラマンでさえ、自分よりは遥かに腕が良いことを知り、頭を打ちました。見ているだけでは簡単なことでもやってみれば難しいことばかり。それから自分とは直接関係なさそうな部署の人でさえ、その仕事の難しさや面白さがどこにあるのかを一所懸命探しました。
 
この経験が大きく活きたのが放送制作の現場でした。元々はラジオ番組の映像収録とネット配信のプロデュースで声をかけられたのですが、ディレクターやレコーディングエンジニアの仕事を暇を見つけては盗み見し、コミュニケーションを兼ねて色々教えてもらったりするうちに元々音響屋だった私ならレコーディングもできるんじゃないかと言うことで大抜擢でコーナーパイロットテイクのエンジニアを担当することになりました。
 
パイロットテイクなので、放送原稿が何度も変わっていきます。結構辛い現場でしたが無事仕事を終え、オンエア分も担当することに。しかし私の興味は放送原稿、つまり作家の方に向いていました。自分なりに番組構成を遊びで作ったりしていると、それがきっかけかディレクターをやってみないかと声がかかる。もちろん2つ返事でやると応えたもののAD経験もないまま本当にやらせてくれるわけもないだろうと箍を括っていると現実に…。打診されてから1週間でディレクタデビュー。それもFMcocoloで。半年後には天下のABCのプロデューサー、嘘みたい。
 
自慢話をしたいんじゃありません。ずっと周りの仕事を学んでいたんです。それは自分の仕事が面白くないとか、手を抜きたいとか、全くそれとは逆で、自分の仕事のクオリティをあげるために何を求められているのかをずっと考えていたから。人は自分目線で何でも見てしまい勝ちになるが、他人からの目線で自分がどう見られているのかを知るには他人の立場に立つのが手っ取り早い。そうして、周りが何を望んでいるのかを聞き取るんじゃなくて自分で身をもって知ろうとしていた、その姿勢がチャンスを呼び込んだのだと思います。
 
人は一人では生きれません。しかしついつい一人で生きているかのようにごう慢になってしまいます。そうならないためにも、周りをしっかり理解する、そして周りに感謝する、そうすると自然に水は流れるものです。
 
実際にわからなくたって、想像するだけでも良いから周りを理解するよう努めてください。そこから興味や感謝が生まれれば一つ違った世界が見えるはずです。