尾木ママは褒めれば子供は一人で成長すると述べています。私もその言葉に心から賛同します。しかし、ちょっと困った事態なんです。

私の塾の子供たちは褒めても真に受けないんです。日頃から褒められ慣れていないからだと思いますが、真に受けてくれません。実は私にこの結果の心当たりがあります。

私の塾は私が幼少期を過ごした町の外れにあります。この地を去って40年ぶりに錦を飾る??如く帰ってきて幼い日の時代を思い出します。小学校に入学して以来褒められたという記憶が私の中に殆ど残っていないのです。家庭だけでなく学校でもクラブでも少年野球でも。叩けば延びるかの如く叩かれ続けてきました。きっとそんな土地柄なのでしょう。日頃から褒められた経験の無いものは、ある日突然褒められたところで戸惑ってしまうのでしょう。自分自身の経験もふまえて本当に残念です。どんな子供にも何か光るところはあるはずです。彼らはこれまでの人生でその光部分を見つけてくれる大人と触れあうことがなかったのでしょう。だからあるひとつぜん褒められても何かの疑いを感じてしまうのでしょう。私自身がそうだったので残念ながらそう認めざるを得ません。

こうなったら徹底的に褒めるしかありません。何の裏もない、心の底からの愛情でほめちぎって褒められ慣れさせてあげます。そして本当の彼らの純粋さが自然にでるようにありったけの愛を注ぎ込みます。

塾で教鞭を執りはや1年、私には一つの確信があります。子供たちは純粋です。大人を困らせる子供もいますが一生懸命に自分の存在を私たちに試そうとしています。ある時は愛情を持って鬼のように叱りつけもしますが、真っ向から対峙すれば必ず通じます。みんな自分の居場所を探しているのです。私自身がぶれずにしっかり彼らを見ているかを彼らが試しているのでしょう。

いくらでも試させてあげます。そしていっぱい褒めてあげます。