人権意識の高さを自負する私ですが、もっと大切なことがあることに気づかされることがあります。それは自然の中で生きていると言うことです。
ある時、突然の強い雨に遭い雨宿りしようと公園に入りました。ちょうど小屋のような屋根の下にベンチを見つけました。あわてて近寄っていくと、それ以上の勢いで飛び出す影。驚いた猫が小屋から飛び出し私をじっと遠目に観察しています。にゃーにゃーと猫を呼んでみましたが警戒して近づこうとはしません。暫く見合った後に猫は姿を消しました。結果的に私は力で猫から特等席を奪い取ったのです。
人間の世界においては最も蔑まれる行動ですが、これが自然で生きていく、そもそもの生命の力を猫が私に教えてくれたことでした。私達は民主主義や人権に守られ様々な不平不満を簡単に口にしてしまいますが、野生生物はこのありがたみを知りません。私たちが理不尽とも思う環境を受け入れたくましく生きています。
私たちの先輩が命を懸けてプレゼントしてくれた民主主義、人権の大切さを自然界が教えてくれます。
またある時、ではなく野宿の途中でまたある2匹の子猫に出会いました。1匹は人なつっこくすぐに近寄ってきて体をすり寄せてきます。毎日が孤独な私の心を暖かくしてくれました。もう1匹は少し放れたところにいます。しかしその後、ずっと私のそばを片時も離れません。トイレの中までついてきます。その間ももう1匹はやはり少し距離を置いてみています。
もしかすると母猫と放れてしまったのかも?そんな風に思えてきました。このまま私にくっついてくるともう母猫と会えなくなるかも知れません。ですがどうやってもなついた猫は放れてくれません。私は怖い人を演じるほかありません。子猫はパニックです。さっきまで優しかった人が豹変しているのです。人間不信に陥るかもしれません。しかしやるしかありません。とても悲しかったです。そして自然からまた学びました。私の寂しさが他の心を結果的に弄んでしまったことを。
私たちは人であるとともに自然界の1生命に過ぎません。自然から学ぶことは大切なことです。
というより、猫から学ぶことのようにも思えますね。