決して押し付けず、

塾では講師たる私が毎日子供たちから学んでいます。いつも躓いたときに思うことがあります。「行動ではなく、人を見る」と言うことです。

子供たちはまだ多くない人生経験の中で純粋に生きています。学校や部活で様々な刺激を受けています。残念ながら多くの刺激は彼らのストレスとなっているようです。ストレスが溜まった状態は心が不安定で過剰に反応してしまうことがあります。行動だけを見て口うるさく注意すると子供の心は遠くに離れていきます。人を見て受け入れることで安心感という絆が生まれます。この絆が学校や社会に全く足りていないように強く感じるようになりました。

このように述べるとただ甘やかしているように批判されがちですが、そうではありません。注意すべきはしっかりと注意します。ただし、頭ごなしではなくしっかりと話を聞いた後で、優しく注意します。行動を指導するのではなく、子供の心にある優しさや正義感を顕在意識化させるのみです。

私たちはしばしば自分の価値観を人に押しつけてしまいがちです。しかし価値観はそれぞれ違います。子供たちだってそれぞれに価値観を持っています。大事なことはそれぞれの価値観を認め合い、互いに成長できるかどうかです。私自身が価値観を押しつける人間たちに傷つけられてきたので、私自身が守る立場にいないといけません。

少々身勝手も感じるが子供たちは私の前で皆のびのびしています。しっかり絆さえ築ければ身勝手さもやがて人への優しさに変わっていくことでしょう。決して押し付けず、個々が気づくのを楽しみに待ち続けます。