これは意見主張の範疇を超え、テロ行為と見た方がいい。
(NHKWEB 2018年7月5日 0時28分)
フランスで、環境保護団体が原子力発電所の上空にドローンを飛ばし建屋の壁に激突させて、原発は、外部からの攻撃に弱いと訴えたのに対し、電力会社は、安全性に影響は無かったとしており、原発の安全性をめぐって再び議論になっています。
国際的な環境保護団体「グリーンピース」は3日、フランス中部のブジェ原発で、小型の無人機ドローンを飛ばし、使用済み核燃料の貯蔵プールがある建屋の壁に激突させたと発表しました。
公開された映像からは、映画「スーパーマン」の主人公に模したドローンが原発の上空を飛行したあと、壁にぶつかって墜落する様子がわかります。
グリーンピースは「フランス議会が、近く原発の安全性に関する報告書を発表するのを前に、原発は外部からの攻撃に弱いと訴えたかった」としていて、原発の安全性を高めるよう求めています。
これに対してブジェ原発を運営するフランスの大手電力会社は「施設の安全性に影響は無かった」としたうえで、原発の上空などに民間のドローンが入ることを禁じるフランスの法律に基づいて、警察当局に告訴する方針です。
ただフランスでは、グリーンピースのメンバーが、これまでも原発の敷地内に侵入し、施設の安全性が問われる事態がたびたび起きており、地元のメディアからは、グリーンピースの対応が議会の報告書に影響を与えるかもしれないという指摘も出ています。
以前より、グリーンピースは、「環境保護」を旗印に、様々な危険な行為を行い、物議を起こし続けています。
環境保護の主張内容自体については、肯かされる点はありますが、その主張の方法が常軌を逸している行為も目立ち、引用記事にあるような、危険な行為を起こすことも、しばしばある事は、これまで様々な場面で報道されてきましたので、ご存知の方が多いと思います。
原子力発電所についての安全性は、100%でないことは、大概の人は知っています。
そして一度メルトダウン等の大事故に発展すれば、大きな災害につながる事は、スリーマイル原発事故、チェルノブイリ原発事故、そして福島第一原発事故で広く知れ渡っています。
もちろんそれらの事故は、人為的ミスと天災をきっかけとした不可抗力と、区別して考える必要があると思います。
(個人的には福島の災害は、菅直人の余計な行動がなければ、あそこまでの大惨事は避けられたと思っていますが)
しかしグリーンピースの様な行為で反原発を訴えるのは、間違った手法だと思います。
小型のドローンを原発の建屋に衝突させた程度で、原発が暴走するなどに至る事は、さすがにないでしょう。
しかしそうした行為を見過ごせば、いずれ原発の破壊を目的としたテロ行為を誘発するでしょう。
グリーンピース自身が言明しているように、原発は『攻撃に弱い』と見るテロリストが本当に表れるでしょう。
本物のテロリストならば、原発建屋の破壊が可能な爆弾等を用意して攻撃するでしょうから、こういうデモンストレーションがそれを誘発しかねません。
彼らの主張そのものは、一つの意見として傾聴してもいいでしょう。
ですが主張のやり方は、間違っています。
フランスは法に基づいて厳罰に処すべきですし、同様な行動を日本で起こしたならば、毅然とした態度で臨むべきです。
仮に主張自体が正しくとも、そのためにあらゆる手段を正当化しようとする態度だけは、許してはいけないと思います。