やぁブラザー。まるたそです。
半年ぶりくらいの更新だけど、生きてます。
最近、"Rokid Max"というガジェットを買って、これがなかなか面白いデバイスだったので、実際使ってみてどんな感じなのかを書いていこうと思う。
ゲームブログじゃなかったのかって? 知らんな。
いやいや待てよ、と。このRokid Max、既に多くのレビュー動画や記事が上がっているのに今更なにを書くんだと。
まぁ、そうなるな。
だから他のレビューであんまり語られていないけど、実際に購入を迷う人が本当に気になるのはどんなことだろう?という、視点から思いついたことを書いていきたい 。
最初に、前提というか参考までに、筆者はどういう使い方をしているのかを書いておく。
【使い方】
・普通のディスプレイ
筆者はARデバイスとしての
使い方はほとんどしていない。
1080p,120fpsで表示が可能。これ大事。
【目的】
・ゲーム(原神、Apexなど)
・アニメ(利用サービスは後述)
【接続相手】
・ゲーミングPC(Win11、i7、4070Ti)(※)
・iPad Air(Gen.4、OSは16.6)
・XperiaV IV(ファイブ マーク フォー、Android13)
Rokid Stationについては筆者はまだ買っていない。9/15現在はまだAmazonJPでは買えないが、買えるようになったら買うつもり。
※type-Cでの映像出力ができない端末はHDMIからtype-Cへ変換の必要があるので、別途、変換機器が必要 。公式でも売ってるのでこれを買っとくのがおすすめ。公式じゃないやつもあるけど、間違ってtypeC to HDMIを買わないように注意。
HDMI to typeCとtypeC to HDMIの違いが分からないって人はおとなしく公式から買おう。
Rokid Maxとは、どういうデバイスなのか?
メガネ型ディスプレイ。以上。
詳細なスペックとかは自分で調べてほしい。
この記事は、そういうのをいくつか見たけどホントに知りたいところが分からん、実運用してみてどんな感じ?というのを知りたい人向けの記事になる。多分。
Rokid Maxで、なにができるのか?
先述の通り、PCやスマホなどの映像出力可能な機器と接続することで、映像を見ることができる。Rokid Max単体では何も映らない。
最大1080p、120fpsまでいけるので、ゲーム用途でも割と使える。Windowsのディスプレイの詳細設定でも、ちゃんと"1920x1080 120Hz"と表示されることを確認。
試しにPCでApex Legendsの射撃訓練場に行ってみたが、ヌルヌルサクサク遊べた。
原神も遊んでみたが、原神PC版はソフト側が60fpsまでしか対応していないので60fpsでプレイ。
iPadで原神を起動しRokid Maxに映像出力してプレイできることも確認した。ただし、視界はRokid Maxに塞がれる形になるので、ディスプレイをタッチしての操作は難しい。DUAL SHOCK4かDUAL SENSEをBluetooth接続すれば快適に遊べた。
原神Android版は、申し訳ないが試していない。
代わりというわけではないが初音ミク プロジェクトセカイのMVを鑑賞してみた。Xperia V IVは本体ディスプレイには120fpsまで出せたはずだが、Rokid Maxにも120fpsで出力できているかは未検証。フレームレートはともかくMVを大画面で楽しむことはできた。
画面の大きさ、見え方はどんなもん?
公式ページには
「6メートルから215"の巨大スクリーンを見るような感覚」
と書いてある。
若干日本語が怪しいが、要するに
6メートル先に215インチの画面があるように見える
ということらしい。
……うん、つまりどれくらいの大きさなん?
ってなるよね。筆者はなった。215インチの画面の大きさがまず分からんのよ。
だから、どれくらい大きく映るのかを、もっと身近なもので表現してみるとしよう。iPad Air(10.9インチ)を正面に構えた状態で、実際に見比べてみたところ、目から30~35cm程度離したくらいの大きさ だった。
普通の6インチくらいのスマホであれば10~13センチ程度離したくらいの大きさ だろうか。
iPhoneのPlusやMaxみたいな大きめのスマホだと15センチくらいになるのかな(持ってないから分からん)。
ちなみにここでいう大きさというのは、あくまで「視界における画面の占有率」みたいな話でしかないので、実際の見え方とはだいぶ異なるということはご理解を。公式の紹介文にもある通り、6メートル先にそれくらいの大きさの画面が見えるイメージ。
Rokid Maxはカバーが付属しており、これを装着した状態で使うと、画面部分の外側は真っ暗になるので、小さめのシアターで中央やや後方の席に座ってスクリーンを見ているような感覚だ。
で、大きさの話の次は見え方だが、ディスプレイの質については他のレビュアーさんも
概ね高評価である通り、筆者としても普通にちゃんと奇麗だなという小学生並の感想。
画面の四隅はごくごくわずかにブレて見えることもあるが、画面全体のうち殆どの部分はくっきり鮮やかに映るので、アニメを見ているときは個人的に全く気にならない。
Rokid Maxの装着の仕方にもよるとは思うが、筆者の場合、限りなくブレが少なくなるように装着した時、黒い四角が画面だとして、上図の赤丸部分がごくわずかにブレて見える程度。
アニメや映画といったエンタメコンテンツを見る分には、すぐに慣れて気にならない程度に感じるが、仕事で書類を編集するなど正確性が求められる作業にはあまり向かないかもしれないので注意。
筆者は視力が悪いので度数調整機能を使っている。画面の端がわずかに歪むのはその影響もあるのかもしれない。ちなみに本製品を購入する際、似たようなコンセプトの製品としてXrealシリーズも検討したのだが、Xrealシリーズは本体側に度数調整機能がなく、別途、度数調整レンズを準備しなければならないのが嫌でRokid Maxを選んだという経緯がある。 筆者と同じように裸眼の視力が良くない人間にとっては本体側で視力補正機能がついているのはありがたい限りだ。
本体音質と音声出力先はどう?
本体スピーカーの音に関しては、思っていたよりは良かったというのが個人的な感想。スピーカーにはプライバシーモードとクリアサウンドモードという2つのモードがある。プライバシーモードは装着者の耳に向かって音を鳴らしているような比較的音が小さいモード。クリアサウンドモードは周囲にも普通に聞こえるような鳴らし方で比較的音が大きなモード。個人的にはクリアサウンドモードだと高音が耳障りに感じたのでプライバシーモードを中心に使っている。なお、プライバシーモードも周囲に音が聞こえないわけではないので他の人が近くにいる場合は別途イヤホンなどをつけた方がよさそう。
音声出力先の話に移る。
PCでは、有線無線問わず他のスピーカー、イヤホン、ヘッドホンを選択可能。PCにとってはただのディスプレイとしての認識だから当然っちゃ当然。
XperiaV IVではRokid Max接続中にワイヤレスイヤホンを接続すると、音声出力先はワイヤレスイヤホンしか選べなくなった。3.5mmジャックでヘッドフォンを有線接続した場合は、音声出力先をRokid Maxにするかヘッドフォンにするかを選択できた。
注意が必要なのはiPadおよびiOSだ。
Rokid Max接続中にワイヤレスイヤホンを接続しても 音声出力はRokid Max固定だった。 筆者はiPadでしか試していないが、 おそらくiPhoneも同様ではなかろうか。
この辺はRokid MaxではなくOS側の問題 なのでRokid Maxに限らずType-C接続のディスプレイなどと接続した場合に共通の問題と思われる。
アニメやYoutubeはどう見える?
アニメは基本的にdアニメとPrimeVideoで見ることが多いのでその2つを試してみた。
PCは言わずもがな、どちらもばっちりフルスクリーンで視聴可能だ。
Xperia V IVをつないでdアニメのアニメを再生すると、Xperia側の画面には黒背景に白文字で「外部機器へ出力中」と表示され、Rokid Max側にフルスクリーンで映像が表示される。停止、10秒スキップ、巻き戻しなどはXperia側で操作が必要なので煩わしさはあるものの、映画やアニメの視聴中は頻繁に操作するわけではないので特に問題はない。
PrimeVideoはXperia本体とRokid Max両方のディスプレイで映像が流れる。ただし、PrimeVideoはあくまでミラーリングとしての表示しか対応していないようで、縦横比はスマホの画面と同じになる。Xperiaは本体ディスプレイ21:9なのでRokid Max側でも左右に黒い帯ができてしまい、dアニメに比べると映像が小さく映ってしまうのが残念だ。おそらくXperia以外のスマホであればそれほど気にならないだろう。
そしてまたもや要注意なのがiPadだ。 PrimeVideoは問題なく出力でき、Rokid Max側に映像、iPad側にはプレーヤーが表示される。しかし、dアニメは「この端末ではケーブルなどの有線の映像出力は禁止されています」と表示され、再生できなかった。 PrimeVideoは出力できてた訳だし「禁止されています」は嘘じゃーん。
最後に、YoutubeはPC、Xperia、iPadいずれの端末でも再生できた。ただしXperiaの画面比は以下略。
ネトフリも契約はしているので試そうかとも思ったが各端末からログインするのが面倒だったので今回は検証していない。もし要望があれば検証する。
ぶっちゃけ微妙な点は?
ここまでは割と良かった点を中心に書いてきたが、まだまだ改良の余地があると思える点もあったので紹介しておく。
まずはRokid公式アプリ"Rokid App"の話からしよう。別にこのアプリがなくてもPCやスマホから映像出力することはできるので必須アプリではないが、このアプリをスマホにインストールするとRokid Maxで3Dofモードを使うことができ、これぞAR、という体験ができるのだが、3Dofモード中は本体側のアプリは使えず、あくまでもRokid Appの中で対応しているサービスだけが使える。Youtubeは対応しているがdアニメとPrimeVideoは非対応であるなど、対応サービスがとにかく少ない。個人的にはこのアプリを使う意味はあまり感じられなかったのでアンインストールしてしまった。
次に、画面の輝度と音量の設定が毎回リセットされる点は気になった。接続するたびに輝度Max、音量もMaxの状態になるのである。そう、なんたってRokid "Max"だからね。やかましいわ。接続するたびに輝度を下げ、音量をプライバシーモードに変えて……という一手間が必要なのだ。
最後に、これはRokid Max側の問題ではなくAndroidとiPad OSの問題なのだが、画面出力中に本体画面をオフにできないのは気になった。Androidは早くデスクトップモードを進化させてディスプレイ、マウス、キーボードを繋げばパソコンみたいに使えるようになってほしい(GalaxyはSamsung DeXでそれっぽいことができるんだっけ)。iPadは……それができてしまうと同社の他製品と競合しそうだから対応する日は来ないんだろうなぁ。
で、結局のところ実用性はあるの?
あるわよ。 ドドン。
カバーを外した状態の本体重量は75gで、カバーをつけても十分軽い(普通の眼鏡よりはもちろん重いけど)。25分程度のアニメ視聴なら全く問題にならず、1時間程度の連続使用でも鼻が痛くなることはなかった。とは言え、2,3時間を超えてくると流石に痛くなってきそうなので仕事で長時間使うといったことには向かないだろう。
常にディスプレイとして使うというよりは、映画やアニメなど、大きな画面で見たいコンテンツを視聴するときに絞って使うのが良さそう。 筆者は1日数本のアニメ消化や原神のデイリー&樹脂消費するくらいの時間で使っている。
正直、この手の映像機器が実用レベルになるのはもっとずっと先のことだと思っていたので、このクオリティを目の当たりにして感動してしまった。Android TVを搭載したRokid Stationを買えば、XperiaやiPadに接続して使うよりも、もっと使い勝手が良いと思われるので早くAmazonで買えるようになってほしい。AndroidTV搭載だからdアニメもPrimeVideoもネトフリも公式アプリで快適に視聴できるはず。
欲を言うなら、というか、もっと一般に普及するには、もう少し本体重量が軽くなって視野角も広がればといったところか。このクオリティの映像体験ができて50gを切るようなデバイスが出てきたら、街中で使う人をたまに見かけるくらいには普及するのではなかろうか。
少なくとも、現時点でこの記事に辿り着くような、最新ガジェットに関するアンテナが高く、面白がって使い倒せるような人にとっては十分実用的に感じられると思う。
今後も面白いガジェットがあればこんな感じで記事にするかもしれない。基本はゲーム関連の記事という方針を変えるつもりはないけどね。
Rokid Maxに関して実際に使っている人に聞いてみたいことがある、という方はコメントで質問していただければ分かる範囲で回答しようと思う。 素人なりに、良いところも悪いところも正直に回答するつもりだ。
それでは今日はこの辺で。バーイ。