青い鳥を探して(第十一回)土井監督の凄さ
TBSテレビ金曜ドラマ「青い鳥」の勝手に解説
第8章「再会」の続き
OP前ですれ違って顔を合わせなかったトヨエツと詩織(山田麻衣子)は
ハーモニカ練習をした思い出の丘で再会を果たす
またもや、あの曲を吹きながら音先行で登場
キカイダー(もしくはズバット)ならトヨエツが「誰だ!どこだ!」と言いそうなシーン
すまん、雰囲気が台無しだ(笑
近づきながら徐々に顔が判別できるようになる
鈴木杏の面影が感じられる山田麻衣子
なかなか良いキャスティング
そして、ハーモニカは上達していなかった(笑
ここでまた2人の心の距離感を表すような
横打ちロングshot!土井監督はこの挿入タイミングが抜群!
駅のホームでの横打ちshot(第3章 炎の夜)よりも
離れているのが秀逸
背景の山々が山頂部の雪でエッジを出しているが
あとは青一色でまるでブルーバックのように無駄なモノがまるで無い!
立ち位置は高低差を利用して
この時の心理的立場をも表す
当然、トヨエツが下で山田麻衣子が上
だけど身長差があるから目線は同じ高さで対等感!
このワンカットも情報量が多い!
詩織(山田麻衣子)は母(夏川結衣)が何故死んだのかを知りたかった
裁判上ではトヨエツが殺したとなっているが
本当は自殺ではなかったのかと
このあともトヨエツの家に訪ねてきて問い詰められる
そして、この回のもう一つの見せ場
そう!幼馴染の美紀子(永作博美)だ!
世話を焼き続け、さらにトヨエツの刑期が終わるまで
ずっと待っていた一途な女
このあと九州に旅立つトヨエツに対して
ついに心の声が出てしまう
▼このワンカットだけで、空っぽの棚と積み上げられた段ボールで旅立ちはすぐだという事が分かる
『私、もういやだよ』
『もう、見送りたくない』(精一杯の告白)
とトヨエツの背中にコツンとおでこを当てる
どうする事もしてやれないトヨエツ
目を閉じて耐えるしかない
永作博美の「諦め」と「諦められない」が入り混じった表情がたまらない
無言で耐えるしかないトヨエツ
幼馴染は、あくまで幼馴染で「女」としては見れない
と、以前にも父親(前田吟)に漏らしていた
永作博美の気持ちを知っているだけに
何もしてやれないもどかしさ
画面構成の法則から見ても
下手(左)向きは未来を見ている(時の流れは←左)
上手(右)向きは過去を見ている(反逆、抵抗の意味)、という
方向の法則があり
トヨエツは右向きで完全に過去にとらわれている事を表している
過去、すなわち「かほり(夏川結衣)」の事だ
決して左(未来)を向かないトヨエツ
つまり、永作博美との未来は無いのだ
「あしたのジョー」の紀子(のりちゃん)と同じで
好きだけど振り向いてもらえない
永作博美の役名が美紀子、紀子の文字が入っているのは偶然か?!
いつの間にか外は雨
永作博美の心の中に降る「涙雨」のようだ
ここでこの回は終わる
なんと詩的な映像だろう
この告白シーンのあとに外は雨
というシークエンスは最終回のトヨエツと山田麻衣子でも同様に繰り返されるが
そっちは「涙雨」ではなく意味合いが違う演出がされている
それは次回











