最近、こんなCMをよく見ます。

車を運転中についつい脇見をして・・・追突寸前で自動ブレーキ。。。

そうです、「ぶつからない車」のCMです。

長年の研究があったと思いますが、ついに実用化され、一気にブレーク。。。
それ自体は素晴らしいことだと思います。自分も運転中に追突はしたくないし、されたくもありません。

ただ、やっぱり気になってしまうのです。
CMの内容がだんだんエスカレートしているように感じます。
「このシステムがあれば、よそ見をしていても安心だね」と刷り込まれてしまうような違和感があるのです。当然のように、CMの最後には、とても小さな字で、ほんの一瞬「・・・システムはあくまでも緊急時の補助システムであり、安全運転を心がけて・・・」みたいなことが書いてあると思います。

何度も言いますが、このシステムは素晴らしいです。ただ現代のテクノロジーの功罪が象徴的に現れているように感じるのです。
すなわち、テクノロジーが進化すると、それに比例して人間が退化する。。。
いずれ自分では何も出来なくなる。。。

こういうものって、気がつけば身の回りに溢れていませんか?
「あなたは何も難しい事を覚える必要はありません。ただ○○ボタンを1回押すだけで、全てが出来上がります」といった説明も、結構増えているように思うのです。

僕は信じきる事ができません。
そもそも「何も覚えずに」出来る事など一つもないと思っています。
だから、「あなたは何も難しい事を覚える必要はありません。」という文句を目にすると、反射的に警戒してしまいます。

個人的にはテクノロジーには興味があるし、仕事でも日常でもテクノロジーの進化によって、物事がどんどん便利になるのは大歓迎です。
でも、やっぱり「自分じゃ出来ないから、任せよう!」という気持ちにはなれません。
せめて「自分でも出来るけど、任せた方が効率良いから任せよう!」に止めておきたい。

こんな考え方は古いのかな。。。

主にIT業界でのシステム開発などで使われるアジャイル(Agile modeling)という手法があって、これはシステム開発以外のプロジェクトマネジメントでも使えるのではないかと興味を持ったので、少し勉強しています。

その中に「スクラム」という手法があります。スクラムはKen SchwaberとMike Beedleにより考案され、その名称はラグビーのスクラムにちなんでいるそうです。


このスクラムには次にあげる5つの価値が定められています。


1.確約(Commitment)

  約束したことを確実に実現する

2.専念(Focus)

  確約したことの実現に専念する

3.隠さない(Openness)

  自分に不利なことであっても一切隠さない

4.尊敬(Respect)

  自分と異なる人に敬意を払う

5.勇気(Courage)

  確約し、専念し、隠さず、尊敬するための勇気を持つ


これって、仕事に限らず、何かを成し遂げるために、絶対必要な価値観ではないかと思います。


目の前にある、あらゆるプロジェクトに対して、常にこの価値観を忘れずに向き合いたいです。

そのためにも、いつも自分に問いかけます。

「確約しているか?専念しているか?隠していないか?尊敬しているか?勇気を持っているか?」

この問いに、即答で「もちろん!」と答えられることを心がけたいですね。


そして願わくば、同じプロジェクトに携わる全てのメンバーと、この価値観を共有できたら良いなぁと思います。

ホットケーキを自分で作ろうと思ったら、ベーキングパウダー、薄力粉、塩、砂糖、牛乳、卵、バニラオイル・・・などなどを混ぜて作ります。
でも、ホットケーキミックスがあれば、そこに牛乳と卵を入れて簡単に作れます。

このホットケーキミックスについて、ある噂を聞いた事があります。

製品化する際に、水(または牛乳)と混ぜて焼くだけという製品にする事は可能だった。しかし、なぜ”卵を入れる”という作業だけは残したのか?
それは”卵を割る”という、ちょっと難しい作業が入ることによって、「自分が作ったオリジナルホットケーキ」という意識が強まり、食べたときの満足度がかなり向上するからだそうです。

この話の真偽の程はわかりません。
でも、自分が作ったものや自分が作業したものに愛着がわくというのは、人として自然なことだと思います。

僕が、最近の”フルアウトソーシング”が推進されているということに、ちょっとした違和感を感じるのはこのことかなぁなんて思いました。
感情論かもしれませんが、自分の仕事に”愛着”を持つというのは大切なことではないでしょうか。もちろん科学的根拠はありませんが、結果にも微妙に影響してくるようにも思います。

そう考えると、「一緒に悩み、考え、やってみましょう」という僕の仕事のスタイルは、少しは誰かの役に立てるのかもしれない!

誰の役にも立っていないのではないか、、、なんて悩んだ時には、ホットケーキに勇気づけられるのでした。