自分が
性的虐待の
被害者
であることを知った後、
私は無性に
私以外の
世の中にいるはずの
性的虐待の被害者
に会ってみたくなった。
私が世界で一人きりの存在ではないことを
確認したかった。
私以外にも、
オンナとしての価値を
子どもの頃から利用され
踏みにじられ、
行為をなかったことにされ
それでも、記憶に苦しめられる人に
会いたい。
私のように
「おまえはいやらしい」
と私を陵辱したオトコに吐き捨てられ
そのオトコをかばい続ける
実母に
「あんたにスキがあるから」
「あんたは執念深い」
と存在否定されても
生きている人に会いたい。
自分の体験手記が
手記集に載り、

それがマンガ化されたことで

私は、
「NPO法人 子ども虐待を考える会」につながった。
※現在は活動していません。
NPO活動の中で、
講座開催のチラシの印刷や
封筒詰めに発送。
インターネットが
今のように普及していなかった1995年は
人が集まり、語り合いながら
目標に向かって居る時代だった。
そんな中で、
どうやらアメリカでは
性的虐待を生き延びた人を
「サバイバー」
と呼び、
その人たちのための本があると言うことが分かった。
かろうじて題名だけが分かったが
英語が全く分からない私には
遠い世界の話だった。
ところが、
人との出会いというのはありがたいものである。
一人の臨床心理士が
「橋本さんの話していた本って
これじゃない?」
と、一冊の本を持ってきた。

↑サバイバーのバイブルと言われる
「生きる勇気と癒やす力」
である。
本屋へ行って、早速探すと
見つけた!!!
専門書で、値段もそこそこする(当時で6000円くらいだった)本に
すぐに出会えたことに感激した。
本の内容については、ここでは述べないが
(話したらこれだけで何ヶ月もかかりそう、いずれ書きたい)
私への大きな救いは
巻末にまとめられていた
「援助機関」
「自助グループ」
の案内である。
その頃は、まだ
性的虐待という行為そのものが
世の中には存在しないことにされていた。
そのため、
どこに行けば相談ができるのかすら
全く情報がなかった。
今のようにインターネットで調べることも
簡単ではなかった。
私が通えそうな場所に
一つの自助グループがあった。
SCSA会(Stop Child Sexual Abuse)である。
「ここに行こう。
とにかく、行こう。
私以外の私と同じ体験をした人に会うんだ。」
手紙を出して、返事を待ち
2ヶ月後に
私は新宿の自助グループと言う場所へ
はじめて足を踏み入れることになる。