先日の事、インドネシア人の係長クラスとその上の課長クラスの担当が2名同時に当日欠勤の連絡。

今回はインドネシア人の彼らの部下が怒ったから面白い。びっくり

(なんだ、お前たちでも、欠勤に怒りを感じるのか?自分は勝手に休む癖に)と思いつつ、「いや、其の怒りは、私も同じだ!」とか言っておいて、とりあえず仕事させる。

 

今回の場合、偶然が重なってこうなったわけだが、日頃からよく欠勤(当日連絡)が多いから、調整のしようがない。

私だけ怒っていると、「また、あの日本人一人で怒ってるよ」位にしかとられないが、「今回はインドネシア人が怒っている」ということで、担当を2名呼び出す。

 

インドネシア人の多少使える人間レベルであるが、

「見た目は大人、頭脳は子供、その名も、迷担当来ない!」

である。漫画の主人公とは反対。

 

係長クラスは初犯で、普段から愛嬌のある小太りな奴。

真面目で良く働き気持が優しい。能力が高い訳では無いが、生真面目に処理を進め、柔らかい人柄で、チームがまとまっていた。まわりもいじり易いらしく、あまり反感をもたれたりすることはない。

今回の件の言分は

* 課長にSMSを入れておいたし、前の日に課長の机にメモも残した。

(問題はインドネシアらしく、その課長がまた突然休んでいるところだろう)

 

まぁ、こちらの内心はあまり怒っていたわけでもなく、社員から打上げがあったので、「怒っている」わけで、適当に指導してお終いというところだったのだが。。。

「お前のメンバーが、なんで上司だけ勝手に休んでいるのかと怒っている。今後は連絡が直接取れなければさらにその上まで連絡しろ。またメンバーに連絡を入れてその日の指示や問題のチェック位しろ。」

と伝える。

 

彼は、そこそこ頭を使うタイプなので、逆にそれで日頃から悩んでもいたらしく、泣きが入る

* 「この立場で自分がやっていけるかどうか自信が無い。正解を知らないしそういう教育を受けていない。能力だけなら自分より高いのがいると思うが、どうしたらよいでしょう?

いつも悩んで考えて進めながらも、正しいかどうか自信が持てていない。」

 

本当に子供なのだ。

正解は一つ、どっかに書いてあると思っている。

実際には正解はどこにも書いていない。

より良いと思わる方法を時間内に見つけだして、それを実践するのが現実であり、結果的に良い場合もあればうまくいかない場合もある。

まずはそれを伝えた。

「ここにいる誰しもみな同じだよ」

 

また彼のタイプは、

いわゆる、三国志でいう「曹操」、日本の「信長・秀吉・家康」で言えば「秀吉」のタイプの彼で、その愛嬌のある人間味で周りを動かすマネジメントスタイルが面白いと思い、係長をさせている。

 

彼はそれに気づいていないことを知り、むしろ驚いた。

マネジメントのスタイルはいくつもある。正解は一つではない。

「いつもいつも明るくガンガン元気一杯引っ張るタイプ」もいれば

「恐怖と力でねじ伏せながら、強引に一丸とさせて危機突破するタイプ」もいるし、

「”あ~あ、仕方ないなぁ~。助けてやるしかないか”と感じさせて周りが支え、その中心にいるタイプ」もいる。

 

どのタイプでも、仕事が期日に所定のコストで完了できればよいので、それぞれの持ち味で自由にやらせている。彼は最後のタイプだ。

つまり、本人には特に凄いスキルとかは不要で、それの出来る人間をうまく動かせればよい。だから、その点で彼の心配は当たっていない。

 

問題は、その持ち味である人柄「助けてやりたいと思わせる可愛げで、人が動いてくれていることを理解していない」ために、今回の様にメンバーとのコミュニケーションも無く休むと、メンバーからは「なんだ、こいつ、いつも助けてやってるのに自分だけ休みやがって」と思われてしまったことだ。

 

どうすればよかったか:

彼の場合は、何時もの仲間に朝一電話して。

「いや~xxさん、悪い。xxさんに助けてほしいんだけどいい?今日、実は病院にいくことになって、仕事の方心配なんだけど、会社にいけなくなった。xxさんが、AとBについてうまくリードして進めてもらえない?いつも助けてもらって悪いね~」

とやればよかったのだ。どうせ、作業自体が得意なわけではないのだから、彼不在による作業へのインパクトは大したことなく、最初の指示と管理だけ。

言われた方も、悪い気はしない。

それで人が動くのだから、いいのだ。

別に強い力で引っ張るリーダーばかりがリーダーではない。どちらも仕事が終わることには変わりがなく、会社としてはどちらでも同じ事だ。

 

”それが、貴方の持ち味でマネジメントスタイルなんだ”

ということをいったら、変な顔をしていた。

 

60kgの貨物を1km先まで運ぶ作業を、

逞しい男とカヨワイ美人の女性との、それぞれに指示した場合、

 

逞しい男は自分で担いで運ぶだろう。

まぁ、仕事は終わる。

 

一方、女性はどうか?とても60kgを持ち上げられそうに見えない。

そこで・・・

「いや~ん。困ったわ~。オ・ネ・ガ・イ、ちょっと手伝ってくださる?」とかいってそこらの男たちを10人程使って運ばせる。

途中「うぁ~皆さんたくましい~ドキドキ」と、心にもないことを言っておけば、もう完璧。男たちは走り出さんばかりの勢いで完了させるだろう。

恐らく結果は女性の方が遥かに早く終る。

 

マネージメントとはそういうものだと思うのだが。

件の彼が心から理解するには、まだ、暫くかかるかもしれない。

それでも自分のマネージメントスタイルを知ること、は大切だと思う。

今回のケースは、彼の強味の根幹であるはずの仲間とのコミュニケーションが欠けたことが問題なのだと伝えた。

 

本当は、もう一つこの裏話が有る。

「カヨワイ女性」は実際に「カヨワイ」ケースは稀で(だと思うんだけど。。。)、それはどうでもよいのだ。

「喜んで奉仕したいと思わせる」方法は、幾通りもある。

人は、有る条件下では、とても生産的で勤勉、かつ誠実な動物なのだと思う。仁義礼智忠信考悌、八犬伝ではないが、人は皆これらを発揮したいと常々願っている節がある。

 

これを引出すのが徳というものなのではないだろうか?

自分を振り返ると、あの忌まわしむべきテロリストのリーダーにも及ばない。

悲しいかな、未熟である。テロリストのリーダーは上の仕組みを悪用して人に命を捨てさせてる訳だから。

 

インドネシア人が「見た目は大人、頭脳は子供」なら

私は差し詰め

「見た目は爺、頭脳は子供」というところで、そう大差無いのかもしれない。