昔、子供の頃SFが好きでハヤカワ文庫もいくつか読んでいた。

「時のロストワールド」は当時から今まで、ついに読むことは無かったが、書店で目についたタイトルで未だに思い出す(だったら、読んでやれよ! 。。。とか思わなくもないが、今一つキャプテン何とかのシリーズものの一部だったせいもあり、億劫で読んでいない。てへぺろ。今や出版文庫も違うらしい。。。

タイトルは当時から好きだった。

あれから半世紀、

別にロストワールドを堪能するのに宇宙のどっか遠くまでなど行く必要はない!と判明。

是非、インドネシアに来て欲しい。色んな次元でのロストワールドが待っている。

インドネシア領パプア当たりの奥地などに逝くのも一つ(還れるかどうかはあなた次第?)

そうでなくても、近代都市ジャカルタ近郊でも、パラレルワールドチックなロストワールド体験は十分可能。

 

今回は生産現場から:

不良率というものがある。

これは「寸法が最短Ammから最長Bmmまでの製品を作ってね」といわれたのに、Aより短かったりBより長いものができてしまうと不良品となり、それが全体の何%, 何PPMかで表現されたりする。

勿論0がベストではあるのだが、要求精度が数μmだと、色んな原因で不良品ができてしまう。

 

現在のグローバルレベルの品質をここで追求すると、

インドネシアン・ロストワールドに、既に踏み込んでしまうことになる。

「6000個作って1000個不良でした(17%)」とか「1000個中400個不良でした(40%)」と平気な顔をして言ってくる。

「作ってみないと不良率などわからん。」という発想の元、ひたすら不安定な品質で作業を進めて、お金も時間も捨てまくる。えーん

 

時は、20世紀後半~21世紀。

世界では中学生だって、10個もデータをみれば(精度を上げたければ30とか多い方が良いが、結果はそんなに変わらないような・・・)

不良率がどうなるのか計算できる。

ここでは、バカみたいに沢山作ってみてから、沢山選別して、その後、不良個数を数える。

この原始的なやり方が、一般的とも思えないが、何のためのエクセルなのか、パソコンなのか悲しくなる。

 

今朝も、機械を止めて、有る部品の長さを20個測らせた。規格には入っているがどうもバラつきが大きい。

不良こそでていないものの、簡単に不良率を計算してみると、下限を割るものが30%、上限を超えるものが0.02%でても不思議の無い状態であることがわかった。

メモ: 便利な世の中である。エクセルでNORMDIST関数を使うと、データから各値までの確率が求まる。各値を規格値(上下限)を代入すると不良率が計算できる。

下限側のNG%: 

=NORMDIST(下限値、平均値、標準偏差、TRUE) 

上限側のNG%:

(この関数は下からの積算を計算してしまうので、100%から引くことで上限側の不良率がわかる)

 =1-NORMDIST(上限値、平均値、標準偏差、TRUE)

 

この平均値(AVERAGE関数で計算)はともかく、標準偏差は1980年代位までは面倒だったが、その後、時代はドンドン変わって、とっくに、STDEV関数などで簡単に出てくる時代になっている。

 

だから、最後まで不良を作って数えなくても、何個か測って見れば、不良率は予測できる。もっというと、不良を作って数えなくても不良率は予想できる。

明らかに不良率が髙そうだと解ったら、継続は時間と材料と労力の無駄なのだ。

不安定なら、不良を作り続けず、まず対策すべき。ただし事情が許す限り。

(これも、大企業からのイジメで、納品を絶対死守を理由に無理やり大量に不良込みで作らざる得ない状況に追い込まれることがある。どっちみち十分な良品数はできないのだから、異常に高くなる追加材料や残業代、休日出勤などで大赤字にしてがんばるより、死んだふりでもしておいた方が大赤字を減らせるだけ、結果的に良いと思う今日この頃、皆様いかがおすごしでしょうか。)

 

今日の指示; 「不良予測値が0近辺になるまで量産開始してはダメ。

測定は10個でも解るから、対策をいれたら、それでやってみろ。」

で・・・また暇になった(待ち時間です)。なのでブログ。。。(ノ_-。)

 

本当は、レンジと偏差(分散)をみると、そこまで計算しなくても工程の安定性が解るのだが、

魔法使いとしては、彼等に分かり易い%でお告げをする方が、効果が大きい。また、数学的に追及すると、信頼度だとか検定だとか小うるさいが、現場にはあまり影響ない。

好感度は多少役に立つかもしれないが、エクセルでは処理できない。

 

そうそう、もう一つ。

公差範囲50μのものをノギス(5μmメモリの一般的なもの)で測ってもってきた。悪くは無いが、量産のNG・OK判定ではないので、マイクロメーター(1μm)で測ってもらうようお願いしないとならなかった。1mmの定規で測ってこなかったのは素晴らしいが、油断も隙も許されない。

 

人間そっくりな恐竜たちに囲まれて暮しているような、錯覚に襲われる。

そろそろ、恐竜が戻ってくるころだ。

様子を見てこよう。目

 

ご報告: やればできるじゃんか・・・魔法の効果絶大ザ・インドネシア。