Reading Fluency リーディング・フルーエンシー(流暢に読むこと)の練習に入る。

 

フォニックスを一通り学び単語が読めるようになっても

それで一気に読書に繋がる訳ではない。 

そのままではフォニックス・ルールを思い出すことだけで頭がいっぱいで

話の内容を味わうところまではとても到達できないだろう。 

最終ゴールはあくまでも 簡単な英文字の読書を自立して楽しめる自信をつけることだ。

 

流暢に読む」とは、簡単に言うと「話すスピードで読む」ということだ。

流暢さの秘訣は音読にある。 

two ・・・     tiny ・・・     tigers・・・     take・・・     two・・・     taxies・・・     to ・・・   the・・・    town

このようにポツポツ読むと、これがひとつの文章だと認識しにくいが

 

two tiny tigers  2頭のちいさなトラが

took two taxies  2台のタクシーに乗った

to the town.   町まで

というふうにフレーズ(意味の塊=チャンク)読みでフレーズごとにポーズを入れて読めれば

初めて文として認識できる。

 

I think that that 'that' that that man said is wrong.

これなどは黙読するより声に出すほうが、意味が通じやすいだろう。

 

I think that  私が思うに

that 'that'  あのthat

that that man said  あちらの男性が言った、あのthat (の用法)は

is wrong. 間違っていると思う。

 

 

日本語も然り。

もももももすももももももももすももももものうち

桃もモモ、李もモモ、桃も李も、モモのうち。

 

これは日本語も同様に文字を眺めるだけでは分かりにくい、という例だ。

べんけいがなぎなたをもって / この先生きのこる / アフガン航空相撲

 

それでも日本語は助詞「て・に・を・は等」の助けを借りて 「意味の切れ目」が自ずと分かることもあるのだが 英語には助詞がないので抑揚やポーズ等の音の助けがないと意味をとりにくいのだ。

 

人は言語の国籍に関係なく抑揚等の意味ごとの区切りで話の内容を理解している。

 

子供は大人が文を読むのを真似ながら読み方を学ぶ。抑揚、リズム、イントネーション等、

読書に大切なことは全て、周りの自分より大きな人達の肉声を通して身に付ける。 だから

小さい学習者には優れた音読のモデルと環境が絶対必要なのだ。

 

幸運にも優れた読み手が身近にいて、本好きに育った子供は自らも上手な読み手になる。

そのような子供が行う音読は、聴いていて頭の中にありありと情景が浮かぶ。

文字の読み方を卒業して流暢に読める子供は自らの心を本の内容に集中させることができるので

本の世界に浸りながら共感したり、新しい発想を得たりといった

より高次元の思考を自発的に発達させるようになる。

 

ポツポツ読み、ロボット読みから Reading Fluencyへと上達するには

  ① 手本となる読み方を沢山聴く事

  ② 自分の声を客観的に認識して手本の音声と比べる事

  ③ 手本を完全に真似る事 (只管朗読)

  ④ ①〜③を大量に長期間行う事だ。

 

「英語好き」または「英語が得意と思われている」人は大抵殆どが読書家だ。

折角覚えた How to read (文字読み) も、放っておかれたままでは How to enjoy reading (読書の愉しみ) に繋がらない。

義務教育で文字中心の英語学習が始まってしまう前に、英語の音に親しませたい。

 

だから phonics の次は fluent reading. 毎日の小さな習慣が、やがて大きな収穫を生むだろう。