食べ物と音楽 | SUTTOKO-DOKKOI

食べ物と音楽

記憶が ずっと洗っていない水槽のように
濁っててよく思い出せないけど
小春は話をするのが嫌いだった。
うまく気持ちを伝えられなくて
もっと寂しくなるから。
一人が好きだった。
これ以上寂しくなることがないから。
SUTTOKO-DOKKOI-??.jpg
2回目はお客さんも少ないので
やらなくていいよと言われた。
やっぱり挨拶しないで
勝手に演奏するのがいけなかったかな
それともまぁお客さんは
さっきから変わってないし
ただそういう理由で
気を使ってくれたのかもしれない
というだけなんだと思う。
なんか投げ銭も取らないで
演奏だけしてロシア料理をいただくのは
なんとなく申し訳無いような気持ちになった。

美味しい料理があって
話をしていてワイワイなってて
そこに音楽を入れるのは
とても心地いいはずなんだよね。
ロシア料理にアコーディオンなんて
絶対に合わないはずかないではないか。
だから小春が演奏しますだとか
そういうのは必要ないのかな
とか思いながら 演奏しはじめたら
小春が挨拶とかするような感じでもなくなって
でも食べているお客さまは
アコーディオンを聴いてくれているのは分かる。

チェブラーシカの曲を弾いたら
小さい女の子が歌を口ずさんでくれた。
嬉しくて泣きそうになった。
これでいいのかもしれない。
別にお金欲しさに音楽をやっているわけでもない。

ただ人の心のなかに
小春のアコーディオンが響いて
その中で食べたロシア料理が
とびきり美味しかったら
その人の心のはじっこに
アコーディオンの音が
こびりついてくれるのだろうか。
曲と曲の間には、匂いと話し声と
お皿をカチャカチャさせる音しかないのだから。

なにげない音楽を
空気と同じ場所に置くのは
意識してやったことなど無かったので
なんだか 生きているのを確認しながら
息を吸っているような気持ちになった。

演奏を始めても終わっても
お客さんは何も変わらず食べていて
でも少しこっちを気にしながら
でも食べていて。

一緒にアコーディオンの音も
食べてくれればいいのに とか
ぼんやり考えながら音を出してみる。

一緒にフォークで刺して欲しい。
噛み砕いて飲み込んで欲しい。
SUTTOKO-DOKKOI-??.jpg












てってれ~
明日は踊ろうマチルダさんだよーん。

5/5(水・祝)@下北沢 Com.Cafe音倉
『「おとなの節句」コンサート at 音倉』
open17:00/start18:00
ticket¥4000(税込/1d¥500別)
w/古川村(Sax:古村敏比古・Gt:古川望)
guest Tb:清岡太郎
*ご予約はお店のお電話でのみ受付中です!!
Com.Cafe 音倉 http://www.otokura.jp
tel 03-6751-1311(12:00-22:00 定休日:月・火)