中国雑技 | SUTTOKO-DOKKOI

中国雑技

気づけば小春は中国雑技の一員になっていた。
「ほら、本番だよ」
初めて出るのにはデカすぎるステージ
期待する観客 高い階段 震える足下。
アクロバットなんてうまくいくはず無いのに。
小春は体が固いんだよ!ど どうしよう…

したで支える男の子の手に手を乗っけて
片手でポーズをやる。
怖くて時間がかかる。

やっとのことで出来上がって
おじぎをして舞台袖に駆け込む小春。

「どうしてくれるんだよ。」
そりゃあ小春、日本人だもの。
だって出来るはず無いもん。
全然練習とかしてないし。

「しょうがないな。今日から
 講師の方にまわってよ」

(無理だよ!!)
     ↑心の叫び
SUTTOKO-DOKKOI
ごめんなさい!ごめんなさい!!
ごめんなさい!ごめ…






プルルルルルルルルルルル…
プルルルルルル…









「あ、小春ちゃん?
 メールの返事が来ないから
 i phone壊れたのかと思ったー」

夢かよ!!
SUTTOKO-DOKKOI
あーーーー夢で良かったー
講師なんて出来るはず無いもん!あー
ビックリしたー
てかなんで舞台に上がっていたのー
しかも時間がかかったけど
思いのほか小春らしからぬポーズを
していたよなぁ。体が柔らかかったなぁ。

って、どれもこれも夢だからか。
夢ってすげーー。
なんで夢の最中に嘘って気づかないんだろ。









母「小春ー、顔色悪いよ」

ああ、ちょっと中国雑技に入っててね…。