記憶 | SUTTOKO-DOKKOI

記憶

昨日は筋肉痛なりなんなり雨だったりで
アコーディオン弾く気になれなかったので
なんとなくババといっしょに
スーパーにお買い物。
「今日はコレが安い日なんだよ。」

「あと何買うんだっけ。忘れちゃったよ」

「買うものとかすぐ忘れちゃったりするんだけどさ
 昔のことは忘れなかったりするんだよねぇ。

 


 私がねぇ、人の結婚式で花びらをばらまく役を
 やらなきゃいけないときがあってさ。
 4歳のときだよ。

 積み木をかごに入れて 
 家でずーっと練習したねぇ。
 
 でも積み木だから落とすときに
 音が鳴るんだよ!
 音が鳴るのはダメだ! って
 お母さんに言われてねぇ。 
 積み木だから無理に決まってるよねぇ。

 そんで本番になって
 花びらのかごをもらったんだけどさ
 それが可愛いかごに
 積み木とは比べ物にならんくらいの
 ひらひらした花びらが入っててね

 なーんだ、これをまけば良いのか って
 すごいホッとしたことを覚えているよ。

 あたしは昭和10年生まれだから
 ずーいぶん昔の話なのにねぇ」




記憶って不思議なもので



別に覚えていてもしょうがないものが
ずっと頭に残っていたり
覚えていたかったのに忘れてしまったり。




「ああ ここの道でよく遊んでたよ。
 小春 覚えてる?」


記憶にある懐かしい道だった。