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suttanipata.com管理者がスッタニパータ(ブッダのことば)をわかりやすく現代風に解説

1120 ピンギヤさんがたずねた、「わたくしは年をとったし、力もなく、容貌も衰えています。眼もはっきりしませんし、耳もよく聞こえません。わたくしが迷ったままで途中で死ぬことのないようにしてください。ーどうしたらこの世において生と老衰とを捨て去ることができるか、そのことわりを説いてください。それをわたくしは知りたいのです。」

 

 

 

1121 師(ブッダ)は答えた、「ピンギヤよ。物質的な形態があるが故に、人々が害(そこな)われるのを見るし、物質的な形態があるが故に、怠る人々は(病いなどに)悩まされる。ピンギヤよ。それ故に、そなたは怠ることなく、物質的形態を捨てて、再び生存状態にもどらないようにせよ。」

 

 

 

 

人間は、生を受けたと同時に、老衰や死を伴って生まれてくる。それは、誰しもが同じように受ける苦であり、この世に生まれてきたからには避けられない事実である。人は、迷いのさなか、この物質的な形態に執着をして、あるいは、掴んで、あるいは熱望して生まれてくる。もちろん生まれてきた時には、かれらが望んだ若さを手に入れて生まれる。しかし、この世は無常であるから、変化を逃れることはできない。故に迷える人は、物質的形態をまた望む。これら死と老衰とを捨て去るには、生を捨てるのである。自らが、生ある時に、物質的形態を手放し、自らの空性を悟り、この世の無常を感じて世の中を遍歴し、再び生存状態へ戻らないようにするのである。