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suttanipata.com管理者がスッタニパータ(ブッダのことば)をわかりやすく現代風に解説

1122 「四方と思惟(しい)と上と下と、これらの十方の世界において、あなたに見られず聞かれず考えられずまた識(し)られないなにものもありません。どうか理法を説いてください。それをわたくしは知りたいのです、ーこの世において生と老衰とを捨て去ることを。」

 

 

1123 師(ブッダ)は答えた、「ピンギヤよ。ひとびとは妄執に陥って苦悩を生じ、老いに襲われているのを、そなたは見ているのだから、それ故に、ピンギヤよ、そなたは怠ることなくはげみ、妄執を捨てて、再び迷いの生存にもどらないようにせよ。」

 

 

師(ブッダ)は答えた、「ピンギヤよ。ひとびとは人間的思考の運動(快⇔不快)により妄執に陥って苦悩を生じ、この無常の世に生まれては、老いに襲われているのを、そなたは見ているのだから、それ故に、ピンギヤよ、そなたは怠ることなく人間的思考の運動を制することにはげみ、妄執を捨てて、無常を知見し、再び迷いの生存にもどらないようにせよ。」

 

 

 

この世は表裏一体である。世の人々が人間的思考の運動による喜びを握ると同時にそこには苦しみがある。生あるものには死が、若い者には老衰が、健康なものには病気がついてまわるのだが、迷える人々は、それを知らずして、喜びを求め、生を求め、若さを求め、健康を求める。故に運動によってそれが逆の方向に振れた時、執着が起こる。そしてそれを繰り返すのである。それを知って修行者は、怠ることなくそれらの妄執を捨て去って、何も握らず、望むこともなく、無抵抗の境地に至って、遂には迷いの生存から脱出するのである。