「ストレリチアと肥料」

 ストレリチアの栽培で多い質問に、肥料の問題があります。考えてみますと、これは、私たち人間の成長段階においての食べ物に、よく似ています。

 まず、発芽後の一年生から二年生の小さな苗です。こんな小さな苗を扱う人は多くはないでしょう。これは、人間では、ちょうど離乳期の赤ん坊から、幼児に当たります。まだ、ひ弱ですから、少しでも、肥料が強かったり、多かったりすると、すぐに障害が表れます。葉が黒くなってしまうのです。気をつけて控えめにするのですが、その限界の見極めが難しいのです

 つぎは、少年期から思春期へかけての食べ盛り。少々、多くやっても平気ですが、この状態の株を持っているのは少なく、殆どが成株なのに、これを誤解しまうことが多いようです。成果部は、もう、余分な肥料分を必要としないのです。一年間に成長する分だけで十分なのです。

 鉢植えとは違って、地植えは、もっと緩やかです。根は自由に伸びて、3mから5mにも達します。こうなると、どこからでも、いくらでも、水や肥料は吸えるのです。美しい花を咲かせるためにリン酸分の補給は別として、成長のための窒素分は、あまり気にしなくてもよくなるのです。