「ストレリチアの優秀花の価値が上昇します」

元はと言えば数が多くならないからです。現在、採種予定の種子の量を多くした、と書きました。でも、実は、それが苗の多さに比例しません。簡単に言うと、近年の品種は、発芽率の低下が激しいのです。採取量を多くするのは、その対策なのです。ストレリチアそのものを多くしようとするのではありません。植物は原種に近いほど種子が多く、改良が進むほど少なくなります。ストレリチアも、ようやく、この段階に辿り着いたと見るべきでしょう。従って、優秀品種が、ますます、高くなる、この傾向は止められません。生まれる苗は減りますから、その中から選ばれる優秀花も少ない現象が起きてしまいます。それが価格の上昇となって現れるのです。つまり、現代は昔より苗の養成に経費が多く掛るようになったことを意味しています。

そればかりではありません。採種さえ控えてしまおうとする動きも出てくるのです。私のところでは『カノープス』の採種は1回きりで、もう、次は種子は附けない予定です。今年、種子を附けたための消耗に驚いたからです。これほど疲れさせて、果たして割りに合うか、疑問が出てきたのです。

 消耗があっても取り返そうとする時代は過ぎ去ったように思えます。それよりは、今ある価値を大切にしなければ、と言う時代なのだ、思うようになって来ています。私は育種家としても、やたら、種子を生ませる交配は出来ない気分です。