Vol.11「ネルスプライトへ」

 1983年7月、5回目のストレリチア自生地調査の時のことです。日程も終盤に近づき、残すはトランスバール州での、ストレリチア、コウダータの調査のみとなっていました。ストレリチアの大部分は、インド洋沿いの海岸地帯なのですが、1つだけ大型種のコウダータだけは、内部の山の中にあったのです。

 ヨハネスブルグから小さな双発プロペラ機に乗って1時間、山の中、山の上を小型機は飛び続けました。6席しかない客席から操縦席はマル見え、仕切りなどはありません。こきざみなゆれを繰り返しながら、田舎駅のようなネルスプライト空港に降り立つと友人のジョバート氏(国立亜熱帯果樹研究所員)が迎えてくれました。

トランスバーで自生調査は2度目で、新たな自生地の選択は彼に任せてあったのです。今回は、南アフリカの最北端、ジンバブエとの国境近くということでした。

 

      アロエ マルシー 2m以上ある(南アフリカ北部)