おしらせ
パピークラス:3月3日(日)14:00~15:00
3月8日(金)14:00~15:00
獣医師とドックトレーナーによるパピークラスです
病気のことや予防のこと、しつけやコミュニケーションの取り方など、優しくお伝えします。
ワクチン接種済みの生後4カ月から1歳の子犬(1歳以上の子もお気軽にご相談ください)
猫の慢性腎不全って何?
猫を飼ったことのある方の中でも、飼っていた猫ちゃんが慢性腎不全を患った経験のある方、多いと思います。
人間や犬に比べても、猫は慢性腎不全になりやすく、死因トップに挙げられるほどで、診断されても改善がなかなか難しい病気です。
6歳ごろから加齢によって腎機能が弱まり、腎不全を発症しやすくなります。
腎臓病の原因は加齢以外にも、炎症、ウイルス感染、中毒、腫瘍、ケガ、食事、生活環境など様々なものが関連しています。
一度傷ついた腎機能の回復は難しく、大半が慢性化しており、8歳で約8%、10歳で約10%、12歳で24%、15歳以上で30%の猫が慢性腎不全を患っています。
どんな症状が出てくるの?
初期には多飲多尿(水をたくさん飲み、尿量が増え、尿の色が薄くなる)など、尿や飲水量の変化で気が付くことが多いです。
進行すると食欲不振や体重減少、嘔吐、けいれん発作など、重い全身的な症状を示すようになります。
なんだか食べる量が減ってきている
飲水量が多く、尿量が多い(多飲多尿)または頻尿
嘔吐や下痢
毛づやが悪くなった
元気がない
体重の減少
口の匂いがきつくなってきた
こんな症状が出てきたら、一度病院に来院されてチェックを受けましょう。
慢性腎不全になったら、どんなことに気をつければいい?
❶食事管理
血液検査の結果に応じて、合う療法食・フードが変わってきます。
腎臓用の療法食は、タンパク質やリンを減らした配合になっていますが、療法食にも段階があり、軽い慢性腎不全の子に、重度腎不全用の療法食を与えるのは、筋肉量を減らしてしまうリスクもあり勧められません。
血液や尿の検査結果から、それぞれのステージに合ったフードをご提案させていただきます。
❷お水を飲めるように工夫してみましょう、飲水量を測りましょう
慢性腎不全で多飲多尿になると、水分が尿に取られてしまう為、すぐに脱水状態になりやすいです。
いつも新鮮なお水が飲めるようにすること、水飲み場を増やすこと、容器を大きくするなどもおすすめです。
(特に多頭飼育の方!)
たまに一日の飲水量を測っていていただいて診察時に教えて頂くと、とても助かります。
❸定期的に血液検査・尿検査を受けましょう
どんな治療を行うの?
慢性腎臓病により一度壊されてしまった腎臓は、治療で回復は難しいのが現状です。
点滴や積極的な水分摂取により、脱水を予防すると共に、体内の水分量を増加させて尿量を増やし、老廃物の排泄を促します。
また、腎臓機能が下がることで起きる症状(リンなどのミネラル異常・タンパク尿・高血圧・貧血)に対しての治療を行っていきます。
慢性腎不全は新しい治療へ
最近、慢性腎不全を進行させる一因として、いくつかの尿毒素の存在が関与している事がわかってきました。
そしてその尿毒素は、お腹の腸内にいる菌が作り出していることもわかってきました。
腸内にいる良い菌を増やすことで、毒素産生菌を減らすことが出来ることから、当院では
❶食物繊維やオリゴ糖などのプレバイオティクスを利用する
❷腸内に良い影響を与えてくれる菌を摂取する
などを推奨しています。
実は血液検査で慢性腎不全がわかる前に、悪化要因となる尿毒素が先に増えてきて、腎障害を進行させる事がわかっています。
健康なうち、若いうちからプレバイオティクスや腸内に良い細菌製剤を取ることは、体に負担なく慢性腎不全発症を遅らせる大きな武器になると考えています。
フードやサプリメントなど、選択肢は多様ですので、それぞれの子に合った方法を、飼い主様と一緒に考え、ご提案できればと思います。
いつでもご相談ください!
浦安中央動物病院