サビ猫ちょび3 | スタミナ源たれのブログ

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ちょびは利口な猫だった。
来た当初こそお腹の調子が悪くて下痢便で家を汚すこともあったが、トイレを教えると一回で覚え、体調が良くなると糞尿の失敗をすることも無かった。
またこちらの気持ちが落ち込んでいる時は、側にそっと寄り添い、俺の目を見ながら「ニャア」と一声優しく鳴いてくれた。

以前、風呂に入りながらちょびが来た時の事を考えていて、いつの間にか死んだ燦太のことを思い出していた。そしていつの間にか声に出して「なあ燦太、お前がちょびに、この家の子になるよう言ったのか?」と独り言を良いながら浴室のドアを開けるとそこにちょびがおり、まるで「そうだよ」とでも言うかのように、俺の目を見て「ニャア」と鳴いたのだった。

ちょびを飼うにあたり、俺は一度だけ子供を産ませようと考えた。いろいろ迷いも心配もあったが、ちょびは女の子と男の子を一匹ずつ産んでくれた、それも助かったというか、さすがちょびというか。偶然かもしれないが、飼い主孝行なところだと勝手に思っている。

サビ猫ちょびの産んだ子猫のうち、長女の女の子は真っ黒なメス猫、尻尾がカギ尻尾の「カギ尻尾のみみ」、弟は黒と白のホルスタイン柄、誕生日が神嘗祭(かんなめさい)だったことにちなんで「かん」とつけた。
また、この子の柄で二匹の父親が判明した。かんはどう見てももーちゃんそっくり、どうやら以前うちの常連だったもーちゃんが二匹の父親らしい、それは俺にとっては何となく嬉しいことだった。
(続く)