私(母)


丘の上の本屋さん

イタリア.ユニセフ共同制作


登場するのは、

自由という意味のリベロという名を持つ古本屋の店主のおじいさん。

アフリカのブルキナファソからの移民の少年エシエン。


本を買うお金を持っていない少年エシエンは、古本屋を眺めることしか出来なくて。

店先を眺めるエシエンに、店主リベロは本を貸してあげた。

そこから始まるストーリー。


エシエンに貸してあげる本は、

リベロが決める。

貸してもらった本を読み終えたエシエンは、リベロに感想をあふれるように喋る。

リベロは、それはそれは楽しそうに聞く。

聞き終えて、リベロの視点からのアドヴァイスを伝える。

感想を伝え合い、ふたりの気持ちは通じ合っていく。

「イソップ寓話集」

「星の王子様」

「白鯨」など、誰でもが

読んだことある本が登場する。


私にもこんなことがあった。

中学校2年生の時、

私は転校生だった。

その学校に慣れてきた頃

クラス担任の国語の中年女性教師は、「無理して友達を作ることない」

と言いながら

私に1冊の本を薦めてきた。

先生に薦められて、読んでみたくてたまらなくなり読んだ。

 読み終えてリベロ爺さんと

少年エシエンのように

先生と私も放課後の教室で

喋った。

3回夕方の教室の椅子に座り喋った


先生が薦めてきた順番通りの3冊。

「人間失格」図書室で貸りた。

「老人と海」図書室で貸りた。

「罪と罰」は、

先生が私物を貸してくれた。

中学校2年生が終わって

また私は転校した。

読書と生き方の道しるべを

中学2年の私に

あの時先生はしてくれた。

リベロ爺さんみたいに。


どこにでもある 

古本屋 カフェのテラス席

公園のベンチ

しか出てこない映画。

古本屋やカフェが

どこにでもあるように

世界中どこにでもある日常の

話だったらいいなぁと思う映画。