私(母)


「脳みそを乗せて支えているお皿の骨も

砕いて壊して、腫瘍を切除します。

腫瘍を切除した後、脳みそを支える骨は

砕いてしまって無いので

お腹の脂肪か、

それよりしっかりしたものが

いい時は左太ももの筋肉の層を

お皿にします。

お腹、左太もものどちらを切るかは

手術中に判断します。

したがって術後は、2箇所の傷口となります。」


開頭手術の前、執刀医の林先生からの説明。


息子の傷口は、頭と左太ももでした。

包丁で大根をえぐって

深く皮を剥いた感じだった。


その左太ももを静岡県立がんセンター形成外科で、昨日診てもらった。


「保湿剤、塗ってますか?

この部分(患部)は、

汗の線も脂の線ももうないので

乾燥しています。

もっと酷くなると乾燥で

肌が切れてきてしまうので

朝晩2回は保湿剤を

すり込むように塗ってください。」


形成外科のかっこいいドクターに、

保湿剤をきちんと塗っていないことを

指摘されていた。


術後しばらくは、太もものえぐった部分が

歩く度につると

歩きにくそうな時期もあったが

今ではなんともなさそう。

息子にしかわからない違和感は

あるのかもしれないけど。


乳がんでおっぱいを切ってしまった女性も、

切った後は、息子の左太もものように

汗腺も脂の線も無くなり、

乾燥してつった感じなのだろうかと

ぼんやり想像した。


息子ー、保湿剤は

太ももに塗ろう、きちんと。

あなたのお顔のためのものではないから。