青木ヶ原樹海トレッキング | この美しき瑞穂の国

青木ヶ原樹海トレッキング

2024年6月22日山梨県南都留(みなみつる)郡富士河口湖町西湖(さいこ)の青木ヶ原樹海をトレッキングした。



青木ヶ原樹海トレッキングへのアクセスは河口湖駅より西湖周遊バス(グリーンライン)で34分、西湖コウモリ穴下車。



バス停で下車し、まずは西湖コウモリ穴で洞窟探検。



西湖コウモリ穴探検の際には西湖ネイチャーセンターでヘルメットを渡される。ヘルメットは要着用だ。


西湖ネイチャーセンターから青木ヶ原樹海を約10分ほど歩いたところに西湖コウモリ穴がある。




西湖コウモリ穴の奥にはコウモリたちのねぐらとなっている巣穴がある。コウモリたちの巣穴には格子戸があり、昼間は格子戸の向こうで寝ているが夜になると格子戸の隙間から飛び出して活動するようだ。ゆえに昼間にコウモリに遭遇することはない。


コウモリ穴の中ではちょっとした洞窟探検気分を味わえる。しゃがみながら進むような道もあり、天井に頭をぶつける恐れがあるのでヘルメットは絶対に被らなければならない。ちなみに迂回路もあるのでしゃがみながら進む道はわざわざ通らなくても良いが、僕はわざわざ入ってみた。


リュックを背負った状態でしゃがみながら進む道は結構疲れる。本物の洞窟探検隊は腹這いになりながら進むのだろうか。


西湖コウモリ穴の探検は5分から10分程度で楽しめるが、洞窟探検を数時間以上するというのはちょっと恐いと思う。


西湖コウモリ穴を出て西湖ネイチャーセンターまで青木ヶ原樹海トレッキング。


青木ヶ原樹海は貞観6年(864)に起きた富士山の噴火により流出した溶岩が冷えて固まった上に出来た広大な樹海である。


西湖コウモリ穴のゲートを出ると西湖ネイチャーセンターで無料展示しているクニマスを拝観した。


クニマスのホルマリン漬け


生きているクニマス。


クニマスは秋田県の田沢湖のみに棲息していた固有種で、水力発電の際に田沢湖に酸性度の高い玉川の水が流れ込んだ影響により絶滅したと考えられていた。

しかし2011年にさかなクンさんが絶滅したはずのクニマスに酷似した魚を西湖で発見し、京都大学で解剖や遺伝子解析を行なったところクニマスであることが確認されたという。


西湖のクニマスは田沢湖で絶滅する前に贈られた卵から孵化した稚魚が生き延びて生存していたという。なんとも感動的な話である。

西湖のクニマスは一見の価値ありである。 

西湖ネイチャーセンターのクニマスを拝観後は西湖ネイチャーセンターの近くにある青木ヶ原樹海入口からトレッキングをした。


トレッキングコースは西湖民宿村へ通じるコースと西湖野鳥の森公園へ通じるコースがあり、大抵の方は西湖民宿村コースを選んでいたが僕は西湖野鳥の森公園コースを選んだ。


西湖ネイチャーセンターから西湖野鳥の森公園コースは約2.4kmである。


青木ヶ原樹海というと自殺の名所という怖い先入観があるが、実際に歩いてみると生命力溢れる清々しい世界が広がっている。


青木ヶ原樹海には土が無く、草木は溶岩の上に根を張っている。そんな樹海で土の役割をしているのは溶岩の上に生える苔類である。


樹海の草木はこうした地面を覆う苔類から水分を取って生長しているのである。そして倒木はまた新たな生命のために生かされる。


青木ヶ原樹海では度々小さな蝶がまるで案内人のように目の前を翔んだ。


こうした蝶や野鳥のさえずりに心癒された。そして西湖野鳥の森公園コースを歩いていたのは僕一人しかいなかったのを良い事に火水埴の清祓いや大悲心陀羅尼を唱えながら歩いた。火水埴の清祓いは計5回ほど唱えた。


青木ヶ原樹海が出来る前は富士山の麓に神社などの建物があったと考えられており、太古の昔には富士王朝なる文明があったとする伝説もある。


またホツマツタヱによると神代の昔、富士山はハラミ山と呼ばれていた。これは富士山に生えていた千代見草(長寿を得る薬草)のハホ菜、ラハ菜、ミ草の頭文字を取ったものだという。

アマテル神は月に三回の食事でこのうちのハホ菜を食され、長寿を保ったという。ハホ菜は苦菜ともいわれ、あまりの苦さに例え長寿を得られるとしても民は口にしなかったほどだという。


ホツマツタヱによるとこれらの千代見草は第8代孝霊天皇の御代に起きた富士山の噴火により絶滅したという。



このようにひとたび富士山が噴火すると溶岩流により様々な物が消え失せてしまうのである。青木ヶ原樹海の草木はそのような場所で逞しく繁茂しているのである。




西湖ネイチャーセンターより40〜50分ほどトレッキングを楽しんで西湖野鳥の森公園に到着。


ここでは樹海に棲む動物たちや野鳥の剥製、写真などを展示している。また公園内ではバードウォッチングを楽しむことができる。


山登りするほど体力に自信はないけど自然を満喫したい方にはあまり起伏がない青木ヶ原樹海トレッキングをオススメしたい。きっと癒されると思う。


帰りに富士山を撮影。雪化粧が融けて夏の装いである。


帰りのバスの中から西湖を撮影。


青木ヶ原樹海トレッキングは思いの外楽しかった。また訪れたい。