神社参りと事象 その1 | この美しき瑞穂の国

神社参りと事象 その1

僕は自分の直感に従い、適時に行くべき場所へ行こうと心掛けている。

そのため、週末三日前に突然決めて行くこともある。


どうしても行かねばと思う神社へお参りした時、それに関係すると思われる事象が起こることが度々ある。


そんな事象のうちの一つを書こうと思う。


2008年6月8日、静岡県の秋葉山本宮秋葉神社へお参りした。

行くのを決めたのは三日前だったと思う。何だか胸騒ぎがして、どうしても行かなければならないと思ったのだ。

2007年初夏にも訪れたのだが、この時は山上の上社には行かず、下社のみのお参りで心残りだったのである。


友人から火に注意するように言われていた事と、なぜか胸騒ぎがするので一応御守りとして、以前友人がくれたフランスのルルドの泉の水を持参した。これは秋葉神社の神が火の神だからである。


その日は朝から小雨が降っていたが、秋葉山を登り始めると時々晴れ間をのぞかせた。


内側から込み上げて来る不安感を打ち消すため、秋葉山三尺坊権現を念じて天狗真言を唱えながら山を登り続けた。


天狗真言

おん あろまや てんぐすまんき そわか

おん ひらひらけん ひらけんのう そわか


秋葉山三尺坊(あきはさんさんしゃくぼう)大権現とは元々観世音菩薩の化身と云われたほどの信濃国の高僧だったが、護摩法を修して迦楼羅(かるら:悪龍を喰らう半人半鳥の神)身に現じ、飛行自在の通力によってあちこちを飛び回ったという。


やがて遠州秋葉山に留まり守護するようになったという大天狗である。



下の写真は秋葉山本宮秋葉神社上社の鳥居である。黄金に輝くその佇まいは何とも神秘的だ。

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境内は道中の不安が一気に晴れてしまったくらい清々しい神域だった。

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御祭神は火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)。
名前の通り火の神である。


伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊奘冉尊(いざなみのみこと)の間の子供で、生まれ出る時に燃え盛っていたので伊奘冉尊は陰部を焼かれて死んでしまった。

そのため伊弉諾尊は怒って天尾羽張剣(あめのおはばりのつるぎ)を抜き迦具土神の首を切り落として殺してしまった。


自分の母を焼き殺し、父からは憎まれて殺されたこの神は両親から愛されなかったのだ。



大祓詞を奏上したかったのだが、中で御神事を行なっていた事と帰りのバスに間に合うように下山しなければならなかったために断念した。



無事に下山してバスに乗り、電車を乗り継いでJR浜松駅に到着すると、うな重を食べながら携帯電話のニュースを見た。


すると、秋葉原で通り魔事件があったというニュースが目に飛び込んできた。


秋葉原といえば、かつて秋葉山から勧請した秋葉神社があった所である。

秋葉原は元々はだだっ広い野原で、大火事に遭わないようにと江戸時代に火防せの神である秋葉大明神を祀った所だ。

江戸時代には江戸の大火が度々あったからである。


後世に秋葉原に駅を建造するにあたって秋葉神社は秋葉原駅の駅長室へ移された。今でも駅長室に祀られているという。


この事件には大きなショックを受けた・・・。

自分が秋葉山に行ったのがいけないのか?と悩んだが、友人が『もし行かなかったら江戸の大火のようなことが起きたかもしれない。』と言って励ましてくれた。


いずれにせよ歪んだ感情から痛ましい事件が起きた事がとても悲しかった・・・。


事件によって尊い命を落とされた方々の御冥福をお祈り申し上げます・・・。