ダルダルゴロゴロ読書 | 斎藤英喜の 「ぶらぶら日記」

ダルダルゴロゴロ読書

火曜日。

退院後、はじめて第二日赤病院行きました。妻の付き添い付。

病院の風景が、なんか懐かしい(笑)。

血液検査などをして、経過観察。順調に復帰しているとのこと。よかったです。

僕が思わず、お粥ではなく、ふつうの白いご飯を食べてますと言ったら、主治医の先生が、手を叩いて喜んでくれました。それを横で見ていた妻は、ウルウルしちゃったと。

こういうのがいいですね。

しかし、ところが月曜日の夜ごろから、急に高熱が出始めて、やばいコロナか、と焦ったのですが、血液検査とかでは、ただの夏風邪でしょう。

薬を飲んだら、熱は下がりましたが、また夜中には、上がったり…。

たしかに長い入院生活で、体力が落ちているので、しかたがない。

ということで、体力消耗して、ダルダル状態が続きました。

でも考えてみれば、高知のイベントのあとでよかった。というか、高知に行ってけっこう体力使ったので、その反動で夏風邪、ダルダルになったともいえますね(笑)。

なので今週は昼間もゴロゴロ寝てばかり。

目が覚めているときは、ちょうど届いた古本屋さんで買った本を読んでました。

◇村松定史『日本におけるジョルジュ・ローデンバック』(芸林書房
◇平井呈一『小泉八雲入門』(古川書房)
◇図録『バーン=ジョーンズと後期ラファエル前派』

ローデンバックは、荷風が愛読するベルギー出身の作家、詩人。

フランス象徴派のひとり。

『死都ブリュージュ』が有名ですが、村松氏の本は、明治初年から、ほぼ同時代の詩人として、上田敏以降、日本の文学者たちが、いかにローデンバックを読み、影響を受けてきたかを、きわめて実証的に考究した一冊です。思わず引き込まれる面白さ。

しかし、これだけ早くから注目されていながら、ローデンバックの個人全集の翻訳はもちろん、詩集の翻訳も出ていないのは、不思議なくらい。「マイナーポエット」とされるから?

そういえば、これも荷風が愛読したアンリ・ド・レニエも全集はおろか、

全詩集の翻訳もないのは寂しいですね。

平井呈一さんは、小泉八雲のほぼ全著作の個人訳をするほど、八雲に入れ込んだ人。その著作集の「あとがき」をまとめたのが本書です。これも読んでいると平井翁の八雲への愛が、ひしひしと伝わってきて、楽しくなる一冊。

八雲のことは、もうすぐ刊行される、斎藤編の『文学と魔術の饗宴』(小鳥遊書房)のなかに「ラフカディオ・ハーンに誘われて」という一文を書きました。

じつは来年の仕事のひとつは「小泉八雲」になっています。

古事記・出雲・神道・心霊をテーマに、これまでの八雲論とは、ちょっと違うものになる予定です。こういう仕事は、楽しい。

 

 

 

 



1987年に開催された《バーン=ジョーズと後期ラファエル前派展》の展示図録。

信じられないほどの安い値段で出ていたもの。

しかし、かなり専門的というか、マニアックです。バーン=ジョーンズが、最初「小説」を書いていたこと、はじめて知りました。それもけっこう暗い小説(笑)

そしてバーンジョーズ以降の「後期ラファエル前派」の膨大な数の画家たち。たしかに言っちゃ悪いけれど、みんなバーン=ジョンズのエピゴーネンばかり。

そのなかで、唯一、光っているのは、やはりウオーター・ハウスですね。こういう同時代の画家たちと並べてみると、彼がいかにずば抜けているかがよくわかりました。

ということで、思わず読書談義に。

 


今日は、午後に激しい雨と雷。しばらくすると何事なかったように美しい夕陽と雲。

いかにも夏の夕立ちですね。

 

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今年は、海とかにはいけないだろう…と、何年か前によく行っていた、

奥鳥羽の夕陽のなかの海岸。またここで泳ぎたい。