『学知史から近現代を問い直す』見本到着
見本が届きました。
田中聡・斎藤英喜・山下久夫・星優也編
『学知史から近現代を問い直す』有志舎
総勢19人の研究者による、自らの専門分野の「学知」を、
時代を問い直す「学知史」へと再編成する論考群です。
おそらくこの本でしか、一緒にならないような、異なるプロパーの研究者が「結集」しています。え、この人も書いているのか!!という、ちょっと驚きの内容です。
思えば、この論集の出発点は、2018年の京都民科『新しい歴史学のために』の特集号をめぐる合評会でした。その後、2019年から、編者四人による勉強会などを積み重ね、本格的なスタート。
途中はコロナ禍ともぶつかりましたが、合計七回にわたる研究会をへて、この一冊となりました。
編者の四人は、長年、一緒に研究を続けてきた仲間たちです
僕自身は、最初の研究会で発表した内容からかなり転回しました。
タイトルは
・「日本ファシズム」と天皇霊・ミコトモチ論
僕にとってはじめて丸山真男や橋川文三の「日本ファシズム」論を取り上げたもの。
なおかつ両者の議論と折口信夫の天皇霊、ミコトモチ論とをリンクさせていくという、
いつもながらの、アクロバットな論文です。
でも、この論文で、真正面から近現代史と向き合うことになった、という思いがありますね。自分にとっても「記念碑」的論文(笑)
さらに、この論集が、「有志舎」から出版出来たことも、うれしいかぎりです。
有志舎は、独立系の出版社として、おもに近現代史の若手の注目すべき著作を多く出しています。じつは、『折口信夫』の本を書いているときに、参考にした近現代史の新しい研究成果は、ほとんど有志舎刊行のものでした。
なので、ぜひ有志舎から本が出したいと、ひそかに思っていたのですが、
それがこういうかたちで実現できたことも、うれしさ一杯ですね。
なによりも、僕たちの「無謀」な試みに応えてくださった、有志舎の永滝さんに感謝を!!
そしてこの本が、現在の「学知」に携わる多くの研究者の手にわたることを!!
版元ドットコム