久しぶりに「マラル・ワールド」を堪能。日文研フォーラム | 斎藤英喜の 「ぶらぶら日記」

久しぶりに「マラル・ワールド」を堪能。日文研フォーラム

火曜日。
ハートピア京都で行われた、「日文研フォーラム」を聴きに行きました。

  

登壇者は、佛大出身で日文研の外国人研究員のアンダソヴァ・マラルさん。
タイトルは「変容するヤマト-『古事記』の「天皇」をかんがえる」

西郷信綱ふうのヤマト=聖なる中心という構造論にたいして、
神武記の記述を綿密に読み解きながら、古事記の「ヤマト」が、いかに荒ぶる世界であったのかを論じるもの。

初代天皇として神聖化される「神武天皇」のイメージを塗り替えるような、とても面白い発表でした。

 

会場は、立ち見の出るほどの大盛況でした。そんななかでも、マラルさんは臆することなく、淡々と古事記を読み解いていくところはすごい。

彼女の「語り」を通して、古事記の神武天皇が、シャーマニックな世界へと変貌していくことが伝わってきました。僕も久しぶりに「マラル・ワールド」を堪能しました。

発表のあとは、コメンテイターの金沢英之さんとの対話形式のやり取り。
金沢さんのコメントも、とても鋭いところを指摘していました。

 

聴衆の方たちも、佐野真由子さんのほんわかとした口調の司会進行とともに、とても楽しい時間をすごされたのではないでしようか。


会のあとは、日文研の方々の食事会に混ぜてもらいました。
さすが日文研の、とても「国際的」な会話とともに、美味しい食事でした。

食事会のあとは、近世神話の山下久夫さんと金沢さんと三人で、某企画についての「謀議」(笑)。

それにしても、研修期間ならでは、充実した毎日ですね(笑)



古事記 変貌する世界―構造論的分析批判 (佛教大学研究叢書)古事記 変貌する世界―構造論的分析批判 (佛教大学研究叢書)
アンダソヴァ マラル Andassova Maral

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