1987年の『現代思想』総特集・折口信夫で論じられたこと | 斎藤英喜の 「ぶらぶら日記」

1987年の『現代思想』総特集・折口信夫で論じられたこと

写真は、1987年の『現代思想』臨時増刊号「総特集・折口信夫」です。

 


対談は小松和彦さんと上野千鶴子さん。
タイトルがいかにも「ポストモダン」ですね。
そしてお二人とも若い!というか、可愛い?

 

このときの書き手で、今回の号にも書いている人って、
赤坂憲雄さん、村井紀さん、そして小松さんぐらい。
村井さんが全体の編集にも関わっていたようです。

内容は対談と同じく、いわゆる折口門下から離れて、
ポストモダン系の思想家、批評家たちによる、折口の読み直し、というところでしようか。この頃に話題になっていた森敦氏や丸山静氏などもインタビューで登場しているのは、村井さんの着目ですね。

村井さんが新しい折口像を切り開かれていたころです。
それを思うと今回の村井さんの文章は、読んでいて、悲しくなります。

2014年の折口特集は、安藤礼二さんが中心となって編集されたとのこと。
隔世の感があります。それにまさか、自分も「折口信夫」について書くことになるなんて、思いもよらなかったです。

ちなみに1987年とは、僕が初めて物部村に入った年。
僕はそれ以降、ずぶずぶと「いざなぎ流」の世界にはまっていくわけですね。
そうした「いざなぎ流」の宗教世界を経過したあとに、まさしく折口と「出会い直した」というわけです。

そのへんの経緯も、いずれ書くことができればいいのですが…。

この1987年の特集号って、お持ちの方はどれぐらいいるのだろうか。



479171279X現代思想 2014年5月臨時増刊号 総特集=折口信夫
安藤礼二 中沢新一 小松和彦 藤井貞和 赤坂憲雄 松岡正剛 島薗進 原武史 岡野弘彦 富岡多恵子 辻原登
青土社 2014-04-03

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