晴明神社例祭、初体験 | 斎藤英喜の 「ぶらぶら日記」

晴明神社例祭、初体験

安倍晴明の本を書いているくせに、恥ずかしながら、今年、初めて晴明神社の例祭を拝見しました。

晴明神社の例祭は、「晴明ファン」みたいな人もちらほら見えましたが、やはりお祭り全体は、神社の氏子さんたちが楽しんでやっている、地域の行事です。その様子がよかった。まぁ、それが本来の祭りでしよう。

お旅所の神事の途中で、日が照っているのに雨がザーと降ってきたのは、まさに「狐の嫁入り」。晴明の母上も、祭りに参加していたということでしょうか。

晴明神社=安倍晴明の屋敷跡という神社の縁起は、陰陽道研究の先達・山下克明氏によって「伝承」にすぎないことが明らかになりましたが、さらに梅田千尋さんの研究によって、江戸時代の「葭屋町晴明社」は、「愛宕の僧」の住居であったことが判明しています。「愛宕の僧」には、易占、祈祷する山伏=法師陰陽師が多かったらしく、その関連で「晴明社」を名乗っていたとしたら、なんともおもしろいですね。

なお、梅田さんの研究は、晴明神社刊行の『安倍晴明公』のなかの論文。晴明神社の公式本にこの論文が載っているのが愉快。

例祭もさることながら、西陣の町屋を見学したのも、よかったです。とくに今も住居として使用されている「他人の家」にずかずかと上がりこんで、二階の客間みたいなところでごろっと寝そべったりできたのは、なかなか貴重な体験でした。