夜まで会議 | 斎藤英喜の 「ぶらぶら日記」

夜まで会議

午前十時から大学院の会議。そのあと、お昼ご飯のあとに院生のT君の論文指導。二時半から教職員連絡会、人権研修会などがあり、その後に教授会と続きました。このへんでもうへとへとなのですが、さらに来年度の授業科目を決める会議があり、すべて終わったのは七時すぎでした。ぐったり。

でも職場から家まで10分で帰れて、帰ったらちゃんとおいしいご飯が出来ていて、くたくたさんが待っていてくれるわけですから、あんまり文句もいえませんね。ちなみに、今夜は栗ご飯。思わずいっぱい食べてしまった。

今日はさすがに疲れて、原稿仕事はパス。だから早々と寝てしまえばいいものを、ついつい起きて本を読み出してしまったのでした。谷崎の『武州公秘話』。これも何度か目の再読ですが、いやいや面白い。

『武州公秘話』は、昭和六年ごろの作品で、谷崎のなかでは大衆小説ふうの「時代伝奇ロマン」といったもの。主人公の武州公の少年時代のエピソードは、ほんとゾクゾクします。城のなかの囚われの女性たちが、戦さで負けた武将たちの首を洗い、それに化粧していく。その姿を垣間見た少年の武州公は、彼女たちの指の白くなまめかしい様子や、首をじっと見入るときの頬にたたえられる仄かな微笑に魅入られ、いつか自分も「首」となって彼女たちに化粧されたい、という被虐的な「性癖」に目覚めていく……。

そんなシーンを居間で読みながら、途中からウイスキー飲み始めたところを、トイレに起きてきたくたくたさんに目撃されてしまったのでした。