休日読書 | 斎藤英喜の 「ぶらぶら日記」

休日読書

このところ、めっきり秋らしくなってきましたが、今日はまた夏がぶり返してきたみたいな暑さ。なんか湿度が高いみたいで、それだけでぐったりしますね。

敬老の日でお休み。一日中家にこもって、「お楽しみ系読書」してました。
午前中は昨日買った、新潮日本文学アルバムの『谷崎潤一郎』。写真つきの谷崎の評伝です。谷崎の三回の結婚について経緯は、それぞれ「文学史」的にも有名ですが、あらためてそのへん興味深く読みました。でも、谷崎ってほんと「引越し魔」。七十九年の人生で四十回も引越ししたとか。

お昼ごはんを食べてから、今度は谷崎の三番目の奥さんの松子さんが書いた、これも有名な随筆『倚松庵の夢』をあらためて通読しました。いや、面白い。でも、松子さんの回想録読んでいると、谷崎の小説のストーリーのことなのか、実際の生活のことなのか、こんがらがってきます。谷崎の松子さんへのラブレターなんかは、ほとんど小説のなかに出てきてもおかしくないほど。それぐらい、谷崎の物語が、「リアリティ」あふれているからなのでしよう。

そういえば、昔『細雪』を没頭して読んでとき、例の山津波の事件が描かれているところを読んだ次の日、朝の新聞を見て、一瞬、あの山津波のことはどうなったのかなんて思ったほどでした。ちなみに、谷崎の小説で好きなのは『蓼喰う蟲』と『蘆刈』です。これは年に一度は読み返している、みたいな耽読本です。

夜ご飯のあとは、谷崎晩年の随筆『雪後庵夜話』を読みました。今日は谷崎デーでしたね。京都には谷崎関連の土地もあちこちあります。今度、涼しくなったら、「谷崎文学散歩」をしようとくたくたさんに提案しました。さっそく彼女、地図であれこれ探してくれました。