※今回の記事は、自分の為の備忘録です。

最近のメッセージやビジョンや印象深い話&出来事を、ストーリーテリングにてひとつに紡いで、自分のために神話の形にまとめ上げたものです。

興味無い方はスルーしてね。
神話が好きな方は、よろしければどうぞ~




クローバーピンク薔薇クローバー赤薔薇クローバー




ある日、女神様が大好きな花畑の上でウトウトと寝ていると、こんな夢を見ました。


南の島の火山の淵に立って、火山の中のドロドロに熱いマグマを見下ろしながら、さあ、今からどうしようかなぁ、と思う夢でした。


女神様は目を覚ますと、花畑の上でしばらくぼーっとしてから、夢に出てきた南の島に行ってみることにしました。




南の島は女神様がいる花畑からは遠いので、自分ひとりでは行けそうにありません。
そこで、雲に頼んで乗せて行ってもらうことにしました。
道案内は、いつも遊んでいる鳥たちの仲間に頼みました。


ふかふかの雲に乗りながら、南の島を目指していると、途中で色んな景色が見えました。
羽の生えた魚が海を潜ったり、空を飛んだり楽しそうにしていました。
蛇やユニコーンも、お空をふよふよ飛んでいて、お日様の光を浴びて氣持ちよさそうにしていました。
それから、通り過ぎた島の木やお花たちが、何やら新しい国だか神様について、楽しそうに噂話をしているのも聞こえてきました。



お空の旅を終えると、女神様は雲と鳥にお礼を言って、ピョンと雲から飛び降りました。
そして火山まで歩いていくと、夢で見たように火山の淵から中を覗いて、ドロドロのマグマが今にも吹き出したいと動いているのを見つめました。



その時、火山の下から声が聞こえました。



……を作って欲しい。



女神様は、よく聞こえませんでしたが、ふーんそうなのかと思って、火山に挨拶してから南の島の草原の方に降りていきました。


女神様は遠くまで来て疲れていたので、南の島でもお昼寝をしました。
女神様はお昼寝が大好きなのです。


目を覚まして、南の島の初めて見るお花や草とお話していると、女神様はふとこんなことを思いつきました。



そうだ、国を作ろう。



女神様は、さっそく国を作るために必要なものを集めに行きました。

まず、国の土台がひつようです。
これを火山に取りに行きました。

火山に、国を作るので材料をください、とお願いすると、マグマの中から取っていくように言われました。
しかし、マグマはとっても熱いので、女神様はその中に手を入れることができません。
どうしようかなと思っていると、女神様は火山の神様のお相手が一人足りないことに気づきました。
神様はいつでも二人一組だったり、仲良しの相手がいます。

なぜ火山の神様には相手がいないのか尋ねると、海の底に逃げているということでした。
どうやら喧嘩をしていたようです。
神様だって喧嘩をしますからね。


女神様は、海の底にいる神様にも助けてもらわないとマグマの中から材料をもらえないなと思ったので、早速海の中に神様を呼びに行きました。

海の神様は、喧嘩で声を取られてしまったらしく、海の底のあたりでしょんぼりしていました。
火山の神様と会うのがちょっと怖いみたいでしたが、仲直り手伝うから大丈夫だよと伝えると、いくらかほっとしたようでした。
国を作るのための材料を取るのを手伝ってほしいと頼むと、なんとか海から出てきてくれました。

火山の神様と海の神様はぶじに仲直りできました。
火山の神様もとっても嬉しそうに笑ってました。
ひとりはさみしいですものね。
 

仲直りを手伝ってくれたお礼にと、火山の神様がマグマの中から大きな光の塊をくれました。
女神様はとっても喜んで、これを新しい世界の土台…島と海と空の材料にしようと思いました。


女神様は、火山の神様と海の神様にお礼を言って、自分の島にまた雲に乗って帰っていきました。
帰り道では、イルカが泳いでいるのが見えました。





女神様は、氣が変わらないうちに、とマグマの光を粘土みたいにこねて、島や海や空や雲を作りました。
とっても綺麗できらきら輝いてて、これを見ているだけで幸せな氣持ちになりました。


一通り出来上がったので、空に浮かべてみましたが、なんだか物足りません。
そこで女神様は思いました。



そうだ、生き物を作ろう。



残りの材料で生き物を作ろうと思いましたが、どうやら材料が足りないということに氣づきました。
せっかく形を作っても、生き物として動き出してくれないのです。


女神様は、またどうしようかなぁと悩んでいると、カラスが一羽やってきて言いました。



いやぁ女神様、面白いことをしているね。
火山の神様と海の神様を仲直りさせて材料をもらったんだって?
それは素敵なことだけど、じゃあ女神様には、なんでペアの神様はいないんだい?



赤い眼のカラスの言葉を聞いて、女神様はびっくりしてしまいました。



そうだ、なんで私は1人なんだろう?
ペアの神様がいないと、生き物が作れない。



そこで女神様は、自分のペアになる神様を探しに行きました。

草に聞いて、
鳥に聞いて、
イルカに聞いて、
風にも雲にも火山にも海にも、
いろんなものに聞きました。


でも、みんな口をそろえて、すぐそばにいるよ としか言いません。
どういう意味なのかなぁと女神様が思っていると、ふと、自分の肩の上に誰かの手が置かれたような氣がしました。


あっ、私のペアの男神様だ!と思って振り返りましたが、そこには誰もいませんでした。
不思議だなと思ったけれども、女神様はその時、ようやくみんなが すぐそばにいるよ と言った意味がわかりました。


女神様は男神様の名前を読んで、


あなたの力が必要です。
助けてください。
私のそばに来てください。


と言うと、女神様の足元の影から土がモコモコと盛りあがって、それが男神様の姿になりました。


ああ、そんなところにいらしたんですね。
氣づかなくてすみません。
私は今、あなたに会えてとても嬉しいです。
新しい国を作っているところなので、どうか手伝って頂けませんか?


男神様は喜んで、女神様と一緒に新しい国作りりを手伝うことにしました。


女神様と男神様が新しい国作りの作業場に戻ってくると、女神様は、生き物を作りたいの、と男神様に言いました。


男神様は笑って、自分の手のひらを、国の上にかざしました。
すると不思議なことに、男神様の手のひらから、金色の土がたくさん溢れてきました。

女神様はそれを見てたいそう喜びました。
これで生き物が作れるわ、と言って、マグマの土と男神様の金色の土を混ぜ合わせ、生き物を作りました。


女神様や男神様の姿に似たその生き物を、女神様は ヒト と呼びました。
金色の土とマグマの土の分量を変えながら、女神様は次々と ヒト を作っていきました。


しかし、女神様は最初は楽しかったけれど、だんだん飽きてきたので、11人の ヒト を作ったところでやめてしまいました。


11人もいるし、もういいかしらと思ったのですが、先に作られていた国の土台から、15人作るはずだったじゃないか!と怒られました。


それでも、女神様は飽きてしまって、作る氣になりません。
女神様は、氣分が乗らないと何もする氣になれないのです。


それを見た男神様は笑って、


ちょっと違う材料を混ぜてみたら?


と女神様に言ってみました。


女神様は、それは面白そうと思ったので、あと2人作ってみることにしました。

何を混ぜようかしらと思っていると、男神様に
君の羽を混ぜてみたら、と言われたので、自分の翼から羽を二枚とってそれぞれに一枚ずつ混ぜました。
女神様のように、空を飛べる ヒト が出来上がりました。
これで、父なる空の近くまで行けます。



さて、これで13人のヒト が作られました。
女神様は飽きていたけれども、やっぱり15人は必要なようだと分かったので、あとひと頑張りすることにしました。


次はどうしようと思っていると、男神様が自分の鱗を二枚はがして、これを混ぜて ヒト を作ろうと言いました。


女神様はそれも面白そうだなと思ったので、最後の力を振り絞ってあと2人作り、そこに鱗を一枚ずつ入れました。
これで、母なる海の底まで泳いでいける ヒト も出来上がりました。



さて、ようやく出来上がったので、新しい国に入れて生活してもらおうと思ったのですが、 ヒト が動き出しません。


女神様は悲しくなって、泣きそうな顔で男神様のほうを見ると、男神様が言いました。


命を吹き込んでないよ。


女神様はそこでようやく、ヒト が生きていく為には命を吹き込まないといけないのだ、ということを知りました。
命を吹き込むためには、魂というものが必要で、それを ヒト に入れなければなりません。


そこで女神様は、これが ヒト の魂となりますようにと、火山のかけらや、花の種や、海の真珠や、草や、ユニコーンの角や、その他いろんなものを入れました。
15人全員に、みんな違う魂が入りました。


次に命を吹き込みます。
これが ヒト を作るのに一番大事なところです。


あら、どうやって命を吹き込むのだったかしら?と女神様が頑張って考えていると、男神様が笑って近づいてきて、女神様を抱きしめました。


ああ、そうやるんだったわ、と女神様は ヒト を作るのは初めてなのに、なぜだか懐かしい気持ちになりました。
そして自分からも男神様を抱きしめました。


そうすると、女神様と男神様のエネルギーがくるくると渦になって大きくなっていき、ひとつの大きな光の柱になりました。

女神様も男神様も、
自分のペアに出会えたこと、
こうやって国を作れること、
ヒト に命を吹き込めること、
お互いが抱き合えること、
をとても幸せに感じられて、とろけそうな気持ちになりました。


幸せな気持ちでとろとろになったところでお互いの顔を見ると、ますます幸せな気持ちが高まったので、女神様はこの幸せを伝えたいと思って、男神様にキスしました。

途端に、あたりの空気がはじけて、桃色と薄紫色と白と金色のあざやかな光の粒が、辺り一面を包み込みました。


女神様は、ああこうやって命を吹き込むんだったわ、と思い出したので、自分が作った ヒト を男神様の手のひらに乗せました。
そして、ひとりずつキスをして命を吹き込んでいきました。
動き出した ヒト を新しい国の上に優しく乗せて行きました。


女神様は、途中で飽きてやめたくなっていたこともすっかり忘れて、こうやって命を生み出せることをとても嬉しく幸せに感じていました。



さて、15人に命を吹き込み終わり、これで国作りが終わったと思いましたが、国の土台の中に ヒト が入ってるだけで、どうやら生きてはいないように感じました。



またまた、どうしようと思っていると、男神様は


国の誕生を祝う儀式がいるよね。


と教えてくれました。



女神様はふと、火山の神様がいた島の近くに、新しい大きな命の誕生を祝ってくれるクジラの夫婦が住んでいることを思い出しました。

女神様は、新しい国が生まれるのを見たくてたまらない気持ちでいたので、急いで男神様とまた雲に乗って、クジラ達に頼みに行きました。


クジラの夫婦は別々の場所を泳いでいて、クジラが動く度に波紋が祝福の歌のように広がっていくのが見えるのでした。

声をかけると、


喜んで、新しい国が生まれるお祝いに参りましょう


と、鈴のような声を鳴らしながら、お願いを聞いてくれることになりました。








雲よりもクジラ達の背中に乗る方が早いというので、女神様と男神様はクジラの夫婦の背中に乗せてもらって帰りました。
それはとっても不思議な体験で、泳いでいるような、空を飛んでいるような、風のように流れているような、なんとも言えない時間でした。


女神様はまた幸せな気持ちになって、新しくモノを生み出すということは、幸せな気持ちになれることをたくさんできるんだなぁ、としみじみ思いました。



今か今かと出来上がるのを待っている、もう生まれるのを祝福するだけの国まで着くと、クジラ達は女神様と男神様を下ろし、くるくると踊り始めました。


クジラ達が新しい国の周りを踊ると、
海に水という命が入ったり、
風という命が入ったり、
山に火という命が入ったり、
次々と、新しい国や ヒト に必要な大いなる命が吹き込まれていきました。

そして、いろんな命がひとつに溶け合って、光のつぶがシャボン玉のようになり新しい国を包み込みました。
そして新しい国は、きらきらと眩しいほどに光って、宙に浮き始めました。


クジラ達が、祝福の響きを乗せた声で言いました。


さあ、これで新しい国が誕生しましたよ。
どうぞ、あなた達の手で、この国をどこに据えるか決めてください。


そこで、女神様と男神様は、新しい国をそっと手に取って、地球の空いているところに浮かべました。

女神様も男神様も、これ以上ないくらい幸せな気持ちでいました。


女神様が新しい国に名前をつけてキスをすると、新しい国をおおっていたシャボン玉がパチンとはじけて、女神様と男神様に言いました。


これで私は今日、新しく生まれました。
私達を作ってくれてありがとう!
あとはどうなるのか、どうぞ見守っていてください。
あなたがたの手で生まれることができて、とっても嬉しいです!



女神様も男神様も、自分達が作った国が生まれたのを喜んでるのを見て、ますます嬉しくなりました。




あまりにも嬉しかったので、この気持ちをみんなと分かち合いたいと、新しい国の誕生を祝ってお祝いをすることになりました。


お祝いには、
火山の神様や海の神様、
クジラの夫婦や、
雲や鳥や草や花や、
ユニコーンや羽のある魚やヘビ達や、
そのほかたくさんの者達がお祝いに駆けつけてくれました。

女神様は美味しいお酒を飲みながら、自分達の作った国が、みんなに おめでとう!生まれてきてくれて嬉しいよ!と祝ってもらってる姿を見ていました。
しみじみ、幸せだなあ、命とは、こういう風につながって生まれていくのだなぁと思いながら、眠くなってきてしまいました。


夢で見た火山に行ったり、
火山の神様と海の神様の仲直りを手伝ったり、
国を作ったり、
命を吹き込んだり、
今日はとっても忙しい1日でした。


男神様にもたれかかりながら半分夢の中でうとうとしていると、女神様はふと言い忘れていることがあるのに氣づきました。


私、あなたと一緒に国を作れて嬉しかったわ。いつも私を見守っていてくれてありがとう。
氣づかないでいてごめんなさいね。
これからはいつも一緒にいるわ。
愛しているわ!


女神様は最後まで言い終わるか言い終わらないかしないうちに、すっかり寝てしまいました。


男神様はそんな女神様を見て嬉しそうに笑って、それから眠ってしまった女神様を抱いて下の草原に連れていきました。

男神様もまた、この幸せを守ることで、女神様の気持ちが嬉しかったのだと伝えたいと思いました。
女神様は 生み出す神様、
男神様は 応える神様 なのです。

男神様は、女神様を抱いて歩きながら、久しぶりにパイプをふかしたいな、などと思いました。



真夜中ですっかり暗いけれども、おめでとうのお祝いの言葉や氣持ちが、柔らかい花火のようにぱちぱちとはじけ合ってあたりを柔らかく照らす、とってもあたたかくて素敵な夜でした。

女神様の揺れる髪から音のしずくがこぼれて音楽になり、
男神様が歩く度に土のつぶがきらきら光って星くずになりました。
音楽と星くずは、新しい国をいろどるために夜のあたたかい空気の中を流れていきました。



こうして新しい国が生まれて、
また新しい物語が、
新しい命が紡がれていくのです、



今回はこれでおしまい。



お誕生日おめでとう!!




🌺🌹早夏🌹🌺