生と性と、その先 | にゅ~スロ庫@ファイブ.jp

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 今回は珍しく漫画本の話。
あんまり読まないっと言うかかなり厳選して読んでいるので偏りが激しい。現場はブラクラこと「ブラックラグーン」とハンターハンター、そしてもう一本。今回はそのもう一本の話。

実は本格的にアメーバに移住する前の場所では感想を何度か書いている作品。(跡地はまだ消してないからこの作品に関する単語でググると出るんですよね結構上位に)
さてその作品とは『当て屋の椿』です。今月末に最新刊が発売予定の為に、本当に今更だけど前巻である9巻の感想とネタバレ。

9巻は「あがほとけ」編完結と衝撃展開の次章です。とりあえず初見の方などには絶対に9巻の内容を口しない方がいいとは思う。そもそもこの本自体が他人に薦められるほど万人受けはしないし、エロとグロそして性と生と死、大人読む漫画である。

以下本編ネタバレありあり。

さて、「あがほとけ」ですが所謂新興宗教の成り上がりと成れの果てと言う展開。鈴懸様の託宣の正体とは、多くの人による操作だったわけですよね。多くの小さな力を大きな力に見せかけていただけ。鈴懸本人の力と言うよりは実際は裏方の根回しがあったから。実行は鈴懸では無い別の者の指図だったがね。ただし、疑問は最初の託宣とされる船の沈没だけど、孔雀も実行役ではなかった様な・・・。本当に鈴懸が託宣者だったかは不明だが、話術を言えば椿に勝るとも劣らない人物だった。規模の拡大で大きくなった力に溺れた結果とも思うし、鈴懸本人の裏を見れば昔に戻りたくないなど。宗教は宗教なりにその存在価値は大きい物だったか。

この集団に会って大きく変わったのイノですよね。鳳仙と向き合う事も必要とする事も大きな前進。さてさて今後はどうなるか?その裏では椿さんによる偽託宣の暴露。結局は損得以外の利害で集まった集団じゃあ無いわけで、家族とか言っていたが実際はそんな物では無い。繋ぎ止めていた鎖さえ切れば暴漢の如く荒れ狂う信者。救いだった鈴懸にすらも襲う。驚きはこんなに脆い物なのかと。こうして追い込まれた鈴懸、最後の託宣は自らの死だった。

ここまでで、めでたしで終わればよかったが、さらにその裏には孔雀による鈴懸による偽託宣、吉原の巫女殺しを実行がなされ様としていた。そう言えば、あがほとけの回でかなり久しぶりに登場したんですよね、篝さん。イノの登場で影が薄くなっていた矢先の事態。そんな篝が孔雀により見るも無残に殺される。さらに竜胆により篝の警護をしていた日輪は瀕死の重傷。篝の最悪な結果に椿の反応は至って冷静。そんな椿の態度に激昂する鳳仙だったが椿は言う、
「わたしには流れでていい篝なんて一滴もないんだよ」
と。
椿はそこまで篝の事を深く深く想っていた、と思う強烈な場面。篝が死んだ事で、もう合う事ができない篝の為に流れ出るはずの涙さえも椿にとっては篝の一部であり、その胸の奥にしまい込みたいと言う事でしょう。その思いの強さはもはや計り知れないほど。憎むべき相手は孔雀だが、ただその裏には度々登場していた棕櫚と言う人物が。日輪の重傷も棕櫚によるものだと思われるが、その存在を気づく者は今の所いない。椿さえも気がつかないのは疑問だが、唯一の対面者である日輪と棕櫚との間に何かある可能性も高いし、椿との関係も大きいはず。

先にも書いたがこの漫画は「性と生」と「死と生」が交差している。大抵は「人の死」とその裏で「人の生きる」が表現されていると思う。死んだ篝と生きる椿の行動とは・・・。第10巻が11月28日発売予定。

次巻発売前に書き終えたのはいいが実際はもっと早く書き終わる予定が大分伸びた・・・。今回はうまくまとまらない文になった気がしなくも無い。