中学の同級生K君の話② | 落ち葉のブログ

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日々の出来事で、感じた事、思い出、たまにスピ系の話等テーマなく気まぐれに明るく喋ります。

前回の話の続きです。
自然体で、女子の中にも気軽に入って来るK君が、ある日突然、雰囲気が変わったのです。
全く笑わなくなり、無表情、ほとんど喋らなくなりました。
人を寄せつけない、固い表情。
その変わり様に私たちは心配になり、
「K君、どうしたの?」と聞きましたが何も答えません。
K君の親友の男子に聞いても解らないと言うし、それが何ヵ月か続いたかな。
学校にも一時来なくなりました。
卒業する頃は表情も少し柔らかくなってましたが、結局何があったのか解りませんでした。
高校は別々、私は短大を出て地元に就職しました。
そしたらK君が、遊びに来るようになりました。
いつも、アポなしで突然ふらっと来ます。
別棟の2階にいると、下から母が
「K君、遊びに来たよ~!」と知らせてくれます。
K君は、特別喋る訳でもなく、二人でぼ~とテレビを見て2時間ぐらい居たら帰ります。
決して私に好意を持ってる訳じゃありません。
同じ職場に同級生の女子が居ますが、K君はその子の家にも遊びに行ってるからです。
ある日、いつものようにふらっと遊びに来て帰り際に、「この本読んだからもう要らない。あげる。」と言って2冊の本をくれました。
それは、三浦綾子の「裁きの家」と曽野綾子の「虚構の家」
私は、姉の影響で当時は星新一とか軽いSF小説しか読んでませんでした。
でも、その2冊は、凄く良かったです。
今は何十年も経ったからストーリーを見事に忘れましたが。
K君が本を読むタイプには見えなかったし、こんな真面目な本を読むとは思わなかった。
私は、これをきっかけに、作家の好みが変わって、三浦綾子、曽野綾子、三島由紀夫、ドフトエフスキー、石川達三など読むようになりました。
それが35年以上経って、なぜK君が、変わったのか解りました。
村のお祭りで中学の男子同級生と会い、思い出話をしてる時にK君の話題になった時に教えてくれました。
お父さんの家庭内暴力があったようです。
だからお母さんたちと、一時親戚の家に身を潜めてた。だから学校を休んでいた。
その事を母に話すと、母も知っていました。
今になって解りました。
K君が、なぜ私の家に遊びに来てたのか。
たぶん、K君は家に居たくなかった。
暖かい家庭じゃなかったから。

もう、何十年もK君を見た事ないけど普通に結婚して子供もいます。
幸せな日々を送っているかどうかは知りません。
実は、私はK君が、学校に来なくなってた事を覚えてません。
思い出話を同級の女性と話してる時に聞かされて「え~!覚えてないですって~!」と驚かれました。
なぜなら、私はそのクラスに初恋の人が居たから、私の意識は初恋の人にしか行ってなかったのかも。
毎日、ルンルンで学校に行ってました。
初恋の人に会う為に(笑)
でも、なぜか今頃、K君の事を思い出すのです。




田舎の揚水発電所
9月の彼岸の時に撮りました。
つり橋がありますが、小学生の時にこのつり橋を渡って友達の家に遊びにいってました。
昔は木のつり橋でした。
川の水は、濁ってますが普段はもっときれいです。