Surf’s-Up -39ページ目

Surf’s-Up

音楽の話を中心に。時にノスタルジックに

今日はとても楽しかった。月曜日なのに。


そういうミラクルもある。


楽しい雰囲気の中ではご飯も食べられる。


久しぶりに食べ過ぎた。


食べ過ぎても「太るなぁ」っていう心配はしない。


むしろ「健全だなぁ」って思う瞬間だ。




なんか、よかった。


完全なる独り言です。



 グリーンに移動してMogwaiを見る。実はそのままホワイトに残ってEastern Youthを、とも思ったのだが、迷ったあげくMogwaiにした。


新作が、割とまとまりの良い作品だったせいか、新曲はこの日のライブでもMogwaiにしては非常にコンパクトにタイトに聞こえた。ただ、持ち時間が彼らにしてはやや短かったので,それで良かったのかも知れない。


 それでも,なんとなく物足りなさを感じてしまったのは,時間の短さのせいだろう。No Ageで久しぶりに轟音の魅力にとりつかれていた自分としては,もっと長くもっとノイズの海の中に浮かんでいたかった。終わりの定番2曲はさすがに気持ちよかったが。


How to Be a Werewolf
I know you are but what am I
San Pedro
I'm Jim Morrison I'm Dead
rano pano
New Paths to Helicon, Pt. 1
Auto Rock
Mexican Grand Prix
Mogwai Fear Satan
Glasgow Mega-Snake

 引き続きホワイトでNo Ageを。

 ギターとベースという構成で、ホワイトでどんな音を鳴らすのか楽しみだった。例えば同じ構成で数年前にグリーンに出たWhite Stripes。あの時はジャックの超人的パフォーマンスで、完全に観客を圧倒していた。盛り上がると言うよりは、もうポカンと見るしかないような、そんな凄みがあった。

 ギターの音色がCDではシューゲイザーっぽく聞こえるのに、ライブでは凶器むき出しのノイズと化していた。ひたすら粗暴。でも、逆にそれがライブ感を体現しているというか、彼らのグルーヴのキーポイントになっていた。

 ドラムもとにかく勢いありき、といった感じで誰にも止められないような性急さがあった。途中やや乱雑に感じられたところもあったが、その不安定さとメロディーのマッチングが独特の世界を作っていた。

 なんとなく今年のフジロックは柔らかな音を求めて観ることが多かったんだけど,ここでちょっと引き戻されたような気がした。自然の中で轟くギターノイズは,まだまだ自分の心を陶酔させる力がある。


 

もう最終日か・・・ 早い。なぜにこんなに早い。


と思いつつ、この日はホワイトでBritish Sea Powerからスタート。


ステージの上がどんどん緑で飾られていく。彼らのライブステージはいつも葉が飾られる。


Remember Meでスタート。つかみとしては最高の曲だと思う。新作がやや地味な印象で、ライブはどんな感じになるのか読めなかったが、しっかりと定番の曲を絡めつつも、新モードのBSPもしっかりアピールしていた。


 そしてライブのハイライトとなったWaving Flags。ここで旗があれば最高だったのだが、観客の手旗もなかなか見事だった。ラストはスピーカーによじ登るという彼ららしい終わり方。昔はもっとぶっ飛んだパフォーマンスをしていたと思うけど,少し落ち着いたのかな。ただ,ライブ・バンドとしての力量はぐんとアップしたと思う。

今日は仕事へ。ちゃんと仕事をしよう。

と,思ったけど・・・

ちょうど斜め向かいにいる先生がわりとロック好きで

午前中はほとんどフェストークで終わってしまった。

もちろん,フェスの話は楽しいので,それでも全然かまわないんですが。

仕事はどうにでもなるさ。

彼女とはあまり好きなアーティストがかぶらないけど

心からフェス好きだということは伝わってくる。

自分とはまた違う見方で、フェスを楽しんでる。

すごく良いと思う。

最近は,こうやって誰かと楽しい話をしているときが一番落ち着きます。

誰かと居ると、余計なことを考えなくていい。


星野源の「ブランコ」の話に戻る。

先日友人と話していたときに、僕がその曲の歌詞を一通り説明すると

彼は「なるほど」と言った顔をし、そして

「ブランコを揺らす人の邪魔をしちゃいけないね」と言った。

誰かを好きになって、その人のブランコを押したくなっても

そこに押すべき人がいたら、「揺れ」の邪魔になるようなことはしてはいけない。

確かにそうだ。でも、俺は誰かの邪魔をしていたのだろうか?

たぶん、客観的に見てそうなのだろう。

ひどくかっこわるい。最低だ。


「その時」がいよいよ来たのかもしれない。


そして「その時」を察知したかのように、周りも少しずつ変わり始めている。

近くにいた人は遠くなり、

近くにいてほしい人はさらに遠くに。

手を離さなければ良かった。

今、何をしているのだろう?

気持ちを繋ぐ「便り」さえ、途絶えてしまった。

でも、きっと、楽しくやってるに違いない。

僕の居ない世界で、君のブランコは気持ちよく揺れているはずだ。

今僕は、これでも必死に耐えている。こらえている。

「ララバイ サラバイ」っていう歌のように


食欲はあんまりないけど、ビールは飲みたいなと思い、出かけようかと思ってたら

雨だ。最低だ。


でも、人生は進んでいく。


ライジングサンの準備をそろそろしよう。
まずはテントを張ってみよう。

駐車券を買って。

文庫本を持って。

椅子を持って。

最高の朝日を見るために。






 星野源を心ゆくまで堪能した後,グリーンへ。ちょっと始まっていたがBattlesを観ることに。曲はちょうど「Atlas」。これがもうとんでもなかった。あちらこちらで踊り狂う人であふれかえっている。タイヨンダイ・ブラクストンが抜け,3人となったBattlesであるが,少なくともこの日の彼らは3人だということ全く意識させないような,ごっついグルーヴを形成していた。あと,ドラムがすごい。他のメンバーが機械をいじってるときでもドラムはボカスカ叩かれていた。



 本当はこの後,レッド・マーキーでkimonosを観ようと思ったけど残念ながら満杯。仕方ないので,今日はここで終了とした。


 越後湯沢駅のセブンイレブンで星野源氏に遭遇。話しかけられるの絶対嫌だろうなと思ったので,遠巻きに眺めていました。他に気付く人なし。オーラ全くありませんが,そこがいいんだよな。

 個人的には今日の「ヘッドライナー」である星野源。小さいステージなので,絶対大変なことになるだろうと思い,早めに入った。その時点はまだ十数人しかおらず,また彼のファンだからキャーキャー騒ぐこともなく,のどかな感じだった。


 リハーサルでは本人が登場。昨日も着ていた青いパーカーに長靴,メガネ姿。後にお客さんから「メガネ似合っていない」と言われ,「そのままの格好出てみようと思った」と言っていました。リハーサルの終わり頃には「スーダラ節」を歌い,お客さんにも「ご一緒に」と促していた。


 アコギ(これがまた上手い)だけで,次々と紡がれていく「生活」の歌。時々「ポンチョにホットパンツの女性はエロい」「ナイススティック」などゆるいトークを挟みながら粛々と進んでいくのだが,これがまた何とも彼の世界観そのものというか,ロックフェスという空間を離れたような雰囲気がそこにはあった。 「どん底の時に『こんなのあるわけねぇ』と思いながら作った歌です」と言って披露された「子供」。「茶碗」,「老夫婦」など目の前に日常的な風景が広がるようなそんな力を彼の歌は持っている。強烈な描写力だ。


 歌われた中の1曲,「ブランコ」。僕の大好きな歌。

 人生をブランコになぞらえた曲で,押す人がいればブランコは揺れる。歌の中では押してくれる「君」が見つかるんだけど,最後まで手を繋いでくれる「君」がいる人はどれくらいいるんだろう?自分のブランコは揺れているだろうか?など,いろんなことを考えてしまった。いろんなことを考え,いろんなことに気付いた。


  「諦めることもいいだろう 諦められないこともいいだろう 自分なくしてみるのも 人を失うことも」

  「流れの中のひとつの光のよう 逆らうならば 命かけて泳ぐといい 川は作れるよ」(ブランコ)

 

 もちろん「くせのうた」「くだらないの中に」も披露された。


  「さびしいと叫ぶには ぼくはあまりに くだらない」(くせのうた)


  「僕は時代のものじゃなくて あなたのものになりたいんだ 

   心が割れる音聴きあって ばかだなぁって泣かせあったり

   つけた傷の向こう側  人は笑うように 」 (くだらないの中に) 


 言葉のひとつひとつに重みがある。でも,何か大きなことを言いたいんじゃなくて,彼の紡いだ言葉が,聴き手の心に届いて,各々の中で意味をもたらしている。これは演じる側にとっても聴く方にとってもとても幸せな関係じゃないだろうか。まさにピースフルな時間だったと思う。

  

 

 


 

 Wu Lyf終了後,一気にField Of Heavenへ。「あらかじめ決められた恋人たちへ」を観に。「鍵盤ハーモニカが入ったダブバンド」ということで,字面だけでは全く興味のなかったバンド。しかし,たまたま曲を聴いてすっかりはまってしまった。ダブだけど,ポストロック的な曲展開を見せ,その転換する瞬間がめちゃめちゃかっこいいのだ。


 着いたときにはもう始まっていたが,こちらも観客でいっぱい。もっと近づいて観たかったが,ちょっと無理だった。でも聴きたかった「Back」が聴けてかなり満足。ライジングサンにも来るので,こっちではしっかり観たい。

 クラムボンでいきなりハイライトを迎えてしまったような気持ちになったので,そのままグリーンでFOWを見ることにする。エヴァーグリーンなギター・ポップが次々と繰り出される。クラムボンとはまた違った心地よさがある。新作もそうであるが,この人達は普遍的なギター・ポップをこの先もずっと作り出していくんだろうなという安心感がある。保守的なのではなくて,頑なな職人魂みたいなものだ。


 とても心地よかったのだけど,一目見ておきたいバンドがかぶっていたのでグリーンを後にする。隣のレッド・マーキーのWu Lyfだ。ヴィジュアルやサウンドスタイルからも,神秘性が伺え,これはきっとおもしろいライブをするんじゃないかという期待感があった。


 で,レッドに移動してみると,まずメンバー全員顔が出ている。あの白マスクはない。ヴォーカルはステージをあちこち動きながら歌い,演奏はCDよりもよりエモーショナルに聞こえる。思ったよりも上手い。まだアルバムをがっちり聞き込んではいないけど,ライブで感じる方が好きなタイプの音楽だった。

 朝,レイ・ハラカミが亡くなったことを知る。享年40歳。自分とほぼ同い年。死は知らぬ所に潜み,ふっと肩に手をかける。もちろん普段からそんなことを考えているわけではない。でも,誰にだって死は訪れるし,「その時」なんてそうそう分かるものではない。だからこそ「今」を生きるべきなのだろう。生きるべき,というよりは,そうするしかないのだ。人生の中にある縛り,のようなものなのかもしれない。でも,その縛りの中で,かくも美しい音楽を作り続けたレイ・ハラカミ。


 この日も雨。スタートはグリーンのクラムボンと決めていた。最近よく聴いているのだけど,ここ数年の作品はほとんど聴いていなかった。そして,その数年の作品がとても素晴らしいことに気付いたのだ。


 時間ちょっと前に着きそうだったのに,その前に「パンと蜜をめしあがれ」が聞こえてきた。「早い」と思ったら,サウンドチェックだった。原田郁子の「バッチリ」という声で,チェックは終了。


 「KANADE Dance」で始まったステージ。歌詞はないけど,観客に「おはよう,楽しんでいってね」というメッセージが伝わってくる。この曲,というかクラムボンの曲,そして存在自体がそうだけど,緑に囲まれたこの場所にとてもよく合う。軽快なナンバーとロックしてるナンバーが良いバランスで織り交ぜられ,メリハリが利いている。


 6曲目の「バイタルサイン」。「ぼくにも ゆずれないものが あるんだ」という歌詞で始まるこの曲。この曲も最近知ったのだけど,「おわらない ぼくはまだ歩いているよ」というところで,今の自分とすごく重なって抑えられなくなってしまった。涙だってバイタルサインの一つだ。大げさかも知れないけど,生きてるんだなぁと思った。


 「あかりfrom HERE」ではTHA BLUE HERBのイル・ボスティーノが登場。被災された方々などに捧げられたこの曲であるが,最後にレイ・ハラカミの名前がコールされた。


 そしてラストの曲「Folklore」。長いMCがあって,原田郁子がレイ・ハラカミのことを偲んでいた。そして自分たちにできるやり方で彼を送り出そうと言って,演奏を始めた。空に向かって声を,音楽を届けようと,最後は観客と一体になって歌い,その歌声を聞きながら彼らはステージを去った。


1. KANADE Dance 

2. NOW!!! 

3. GOOD TIME MUSIC
4. 波よせて 

5. Re-雨 

6. バイタルサイン 

7. シカゴ
8. あかりfrom HERE 

9. Folklore